作成日:2017年11月04日 訪問日:2017年11月04日
83番札所 神亳山一宮寺
昔むかし、このお寺の近くに、
意地悪で病気がちなおばあさんが住んでいました。
ある日近所の人から「このお寺には地獄の釜の
煮えたぎる音が聞こえる祠があって、
悪いことばかりしている人が
頭を入れると抜けなくなる」という話を聞きました。
そこで、おばあさんは「そんなことはないだろう」と
ためしに頭を入れてみたのです。
するとたちまちとびらが閉まり、
下のほうからゴォーーッという地獄の音が聞こえてきました。
おばあさんはあわてて頭を抜こうとしましたが、どんなに力をこめても抜けません。
とうとう怖くなり「今までのことは許してください。
もう意地悪はしません」と涙ながらに何度も頼むと、
とびらは開き、頭がすっと抜けました。
それからというもの、心を入れ替えたおばあさん。
体もすっかり元気になり、近所の人とも仲良く
暮らしたということです。
この祠は、お大師さまが美しい心とすこやかな体を
授けるために、つくられたのかもしれません。
薬師如来の祠
道中記へのコメントは、ログインが必要です。