作成日:2011年08月22日 訪問日:2011年08月22日
3番札所 亀光山金泉寺
雨が止んだので、気になるのは重い荷物だけ。
民家の間を抜ける遍路道を20分ほど歩くと、三番札所まで後300メートルの看板が出たところで、遍路道しるべが田んぼの畦道へと私を誘う。
細い畦道は雨でぬかるみ、草がボーボー。一歩歩くと無数のバッタがバタバタバタバタ~。杖で行く先を突きながら歩く。
私も驚いたが、バッタの方が数倍驚いたに違いない。バッタのテリトリーを侵して申し訳ない。しかし行かねばならない、分かって欲しい。
年甲斐にもなく、キャーキャー言いながら歩いている内に三番札所へ到着。
ここも広くて大きい。
既に数人の参拝者がいた。その中で子連れのご夫婦がいて、その旦那さんらしい人が豪快なお経を上げていた。
驚いたのは、私や他の参拝者がお参りしている後ろから勢いよく賽銭を投げる、いや、投げつけたことだ。
そして鈴をリンリン、鐘をガシャンガシャン鳴らしながらでっかい声で聞き取れない言葉のお経を唱えていた。
このオジサン、大師堂でお参りを終えた私のところにきて「お聞きしますが、あなたそんな格好して暑くないのぉ?」と言う。
言い方が嫌みっぽかったので、ホントは暑くで汗だくだくだったけど、「全然暑くありません。」と意地を張ってしまった。
こんな些細なことでカチンとくるようでは、私はまだまだ未熟者。修行の身なのだ。
今度は地元の人かと思うほど落ち着きのあるおじさんに話し掛けられた。
このおじさん、なんと自転車+リヤカーで八十八ヵ所を周り、完全野宿で結願するという。すごい。
何だかんだ話していて、危うく納経所に行くのを忘れてしまうところであった。慌て納経所に行くと同じ愛知県から車で来たというご夫婦に出会った。
しかも今夜泊まる宿が同じ所だと聞き驚いた。
三番札所を出たところにリヤカーのおじさんがいた。
今夜はここの駐車場でテントを張って泊まるそうだ。
おじさんからバナナ2本のお接待があり、ありがたくいただく。
おじさんに風邪引かないでくださいね~と言いつつ、お互いの旅の無事を祈って手を振って別れた。
数分歩いたところで、一台の車が私の横で止まった。車に乗って行きませんかというお接待だ。先ほどの愛知県のご夫婦だった。
歩いて修行したい旨を説明して丁重にお断りした。
本当は雨が降ってきて荷物も重く一瞬挫けそうになっが、まだ三番札所を終えたばかりの初日なのだ。挫けるにも程がある。
何度も荷物を担ぎ直しながらずんずん歩く。途中雨足が強くなってきた。
仕方なくポンチョを装着し憂うつな気分で歩いていると、信号待ちしていた小学2年生くらいであろうか、空手着を着た少年に出会った。すれ違いざまに笑顔で「こんにちは」と元気に挨拶してくださった。
大人でも見知らぬ人に挨拶出来るだろうか。
清々しい気持ちになった。
少年のおかげで足取りも軽く、一気に宿までたどり着けることが出来た。
人間は単純だ。単純は私だけかもしれない。
今夜の宿は五番札所近くの森本屋さん。おばあちゃんが一人で切り盛りしているというクチコミを聞いてこの宿にした。
到着は午後五時、先ほど札所で会ったご夫婦と同時に到着した。
先にお風呂を頂いて、ご夫婦と一緒に夕食を頂く。
このご夫婦はとてもラブラブで、年の頃は私の両親とさぼと変わらないだろうか。奥様が一年前に大病を患い、良くなってきたので四国に旅行がてらお遍路に来たと言う。奥様はよく笑う可愛い方だ。
明日は奥様の病気が少しでも善くなるようお参りしようと思った。
『暑くありません』と言ったうさぎちゃんの顔が見えました(笑)人の言葉での大事さを考えさせられる1日でしたね。
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忍さま
私の顔が見えました?
間違っていたらごめんなさい。
もしや…忍さまは秋田の方ですか?
遍路旅、いろいろな方と出逢い、とても大切なことを学んだと思います。
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