作成日:2013年06月29日 訪問日:2013年05月05日
86番札所 補陀洛山志度寺
志度寺に到着です。
実は、この志度寺に着く前に少し寄り道をしました。
今回、納経軸を持っていることはこの道中記中に書いてあるので読んでいただいている皆さんにはご存じのはずです。
納経軸をお持ちの方もいらっしゃるでしょう?
気になることありませんか?朱印の汚れです。
墨書きは、納経所で乾かしてから巻きますよね?(慌てて半乾きで巻いちゃう人もいるかもしれませんが・・・)
ご法印(朱肉の判)は、長い時間をおかないと乾かないのです。
なので余分な朱肉を新聞紙や吸い取り紙、和紙などを当てて巻いて次の札所に移動するのです。
歩き遍路であれば、実際に次の札所まで時間がありますので乾いたり、紙に吸われたりして朱肉が写りにくくなるのだろうと思います。
しかし、車遍路の場合次の札所までの所要時間が短く、また何度も巻いたり、開いたりをします。
その際に巻いていくと少し巻きのバランスが悪くなるので軸を整えをする為にずらしてしまうことがあると思うのです。(しない人が多いかもしれませんが・・・)
その際に朱肉が余白に付いてしまったりして汚れてしまうのです。
長くなったのですが、気になっていたので今回お遍路用品を購入したお店がここ志度にあるので立ち寄ることにしました。
実際、お店の方に軸を伸ばして見ていただきました。
自分では、「汚れているところがあり気にしているのです」とお話ししました。
お店の方から出てきた言葉が「綺麗なお軸ですよ!」
・・・・(え?)
そう、自分では「汚してしまった!まずい!」と思っている軸が表装をしている人から見れば綺麗なのだそうです。
「大事に扱われているのが判りますよ」との言葉で安心と喜びで一杯になりました。
ご本尊の所に朱肉が飛んでいるので聞いてみると「これは抜けるので大丈夫」との太鼓判
そのあと、結願したら表装をお願いしますと言って後にしました。
そして志度寺へ話を戻ります。
実は、今日この志度寺でお葬式があったようです。
丁度、門を入って本堂に移動するときに霊柩車が出て行くところでした。
もちろん、手を合わせてご冥福をお祈りしました。
見ず知らずの方なのですがお遍路に出ると自然にそういったことにも手を合わせるようになってきます。
その後、五重塔の前を通って本堂へ
志度寺は大きなお寺です。
仁王門を入る前に両脇に塔頭を持つお寺です。
本堂も大きく大師堂も同じく大きいのです。
何よりも五重塔です。
札所内で五重塔を持つのは4ヶ寺だそうです。
石手寺、本山寺、善通寺、そして志度寺
そういったお寺なのです。
藤原不比等の子、房前の母を供養した志度道場が始まりであり。
房前は藤原北家の祖であり、その流れは藤原道長、頼道や平清盛にも出てくる忠実、忠通、頼長(悪左府)へ通ずる藤原家の中で一番隆盛した家柄になるのです。
そのようなお寺なのだからでしょうか広く大きなお寺です。
本堂に行きお勤め開始です。
南からジリジリと太陽が照りつける中、汗が噴き出してきます。
それでも、あと数回のお勤めで「お遍路は一旦終わるのだ」との思いもあり読経にも熱が入ります。
そして大師堂でお勤めを終え納経所へ!
ここの納経所は立派な建物です。
墨書きと御法印をいただき少しの間、その納経所をぐるりと歩いていたら奥に大きな屏風があるのです。
かなり古い物なのでしょうか、少し痛んでいる為か絵が剥落しているようです。
しかし立派な物を見させていただきここでも手を合わせます。
ありがたい・・・・
そして、もう3つしか残っていない札所にあと少しと言う思いともう少ししかないの思いが交錯してくる
志度寺の五重塔
志度寺 本堂
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