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うさぎさんのお遍路道中記

作成日:2014年06月22日 訪問日:2014年04月24日
67番札所 小松尾山大興寺


雲辺寺を打ち終え、午前10時、五百羅漢が立ち並ぶ道をワイワイ言いながら歩く。
ここからは愛知県から来たちょっとトボけて面白い伊澤さんというおじさまが一緒だ。
伊澤さんは、いつもニコニコ満面の笑みを浮かべた面白いおじさまなのだ。
初めてのお遍路だと言うが、装備がなかなか凝っている。
金剛杖はナギナタの枝の部分を加工したもので重くて長く、地面につく部分には椅子の足にはめるゴムが着いていた。
菅笠も平らな珍しい形のもので、ニスをご自分で塗っていた。
腰にはビニールのカバーをした遍路地図をぶら下げ、その他にもザックに沢山の装備がぶら下がっていた。

五百羅漢の緩やかな上り坂を歩く。
いろんなポーズや面白い顔もあり、遍路仲間に似ている像を探して歩いていると、東京の男性がダンディ水谷さんに似た像を見つけたと大騒ぎ。
いつも冷静で大人しい東京の男性の、あんなにはしゃぐ姿を見たのが初めてだったので、その姿をみて大爆笑した。
五百羅漢が終わり、しばらく歩くと遍路道は左へ私達を誘う。
いよいよ下りの山道へと入るのだ。
道は急勾配で足元が悪く、木の根っこがボコボコしている箇所もあるため、気を付けて下らなければならない。

下り始めて30分ほどすると、前方からたくさんの小学生が登って来た。
学校の校外授業らしく、引率の先生もたくさんいる。
みんな元気に挨拶をしてくださり、走るようにして登って行く元気ぶりだ。
その人数はかなりのものらしく、途切れる事がない。
30人ほど通過すると、少し離れて第二団がやって来たが先頭集団よりやや疲れた足取り。
それでも元気に挨拶していく。
またまた少し離れて第三団がやって来たが、この辺りの集団から足元がフラフラしながら登って行く子が目立つ。
その後来る小学生はバラバラとまばらで、ヨレヨレで声も小さく、全く元気が無い。
ダンディ水谷さんや皆が
「あと半分だ、頑張れ!」
と応援すると
「えー!まだ半分もあるの?、、、もうダメだぁ。」
と悲鳴が上がる始末。
次はもっとヨレヨレになった若い女性の先生。
もう倒れる寸前だ。
全体的には女子は元気で、男子の方が元気が無い。
世の中を反映しているようで、皆で笑った。

途中、景色のよいベンチを見つけランチにした。
下り始めて一時間半後、山道が終わり車道に出た。
長閑な県道240をおしゃべりしながら歩き、岩鍋池の畔にある小さなお寺のような所で小休止することにした。
が、私はおトイレに行きたくて行きたくて仕方が無い。
もうお花摘みは懲り懲りだったため、後2キロ弱の札所までの道のりを競歩のように急ぎ足で歩くことにした。
札所手前にアスファルトの急坂があったが、切羽詰まった私は駆け足で登る。
それを後ろから見ていた三人が
「凄い脚力だ!」
と言っているのが聞こえてきたが、愛想振り撒く余裕も無く、一心不乱に札所に向かった。

午後12時50分、67番札所大興寺に到着。
先ずはおトイレへ行き、ホッと一息して思う。
やっぱり女は不利だ、男になりたい。
しばらくして三人が到着し、本堂、大師堂でお参りをした。
納経を終え、ふと横のお大師様の絵を見ると、何と般若心経で描かれた絵があった。
それはそれは小さく上手な字。
米粒程の小さな般若心経もあり、思わず写真を撮った。
しばらく休憩しようと境内のベンチに行くと、雲辺寺で会った中年の女性が居た。
私の顔を見ると、
「あの老夫婦には会えたの?」
すっかり忘れかけていた記憶が鮮明に蘇る
「やめてくだされ?!!」
両手で耳をふさぎ、幽霊が取り憑いているのではないかと心配になり、辺りを見回した。
また皆が爆笑して、私をからかうのであった。

午後1時20分、今夜の宿であるかんぽの宿観音寺荘へ向かうことにした。
国道377を横切り、静かな田んぼ道をしばらく歩くと仁池という大きな溜池があった。
この横の土手の小道を行くと、かんぽの宿への近道だ。

かんぽの宿には午後3時にチェックインし、大浴場で汗を流す。
夕食は四人でワイワイ楽しくいただいた。
新たに加わった面白い伊澤さんは、お酒が大好き。
酒屋さんを見つけてはウイスキーを買い、瓶が重いと言ってペットボトルのお茶を一気に二本飲み干し、空になったペットボトルにウイスキーを移し替え持ち歩くのが日課だ。
そのウイスキーの話を耳にしたお酒好きのダンディ水谷さんが、食後部屋で宴をしようと提案する。
お菓子を持ち寄り、ダンディ水谷さんの部屋に集まると、伊澤さんとダンディ水谷さんはアルコールチームとなり、二人で仲良くウイスキーをちびちび飲んでいる。
私と東京の優しい男性は、その横でアイスクリームチームを組み、アイスで乾杯したのだった。

明日も晴天との予報。
かんぽの宿は、部屋は広々、鍵もかかる。
何よりシーツがパリッとしていて快適なのだ。
明日の予定が決まらぬまま、、、更には日記を書こうとお遍路ポータルサイトの画面を開いたまま、この夜は深い眠りについたのだった。


 
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雲辺寺の五百羅漢はいつ見ても感動する。一体一体が面白く、見ていて飽きない。

雲辺寺の五百羅漢はいつ見ても感動する。一体一体が面白く、見ていて飽きない。


プスッ!「おいおい、手荒な事はやめろよ?。」

プスッ!「おいおい、手荒な事はやめろよ?。」


急勾配の山道への入り口。何かを見つけたダンディ水谷さん。

急勾配の山道への入り口。何かを見つけたダンディ水谷さん。


学生の行列が続く。

学生の行列が続く。


岩鍋池を越えた所にあった休憩所。白い龍の彫り物が凄い。

岩鍋池を越えた所にあった休憩所。白い龍の彫り物が凄い。


あと少しで札所だ。蓮根畑かな?蓮がチラホラ咲いていた。

あと少しで札所だ。蓮根畑かな?蓮がチラホラ咲いていた。


我慢して小走りで着いた大興寺。

我慢して小走りで着いた大興寺。


山門をくぐると、新緑が綺麗な境内が待っていた。

山門をくぐると、新緑が綺麗な境内が待っていた。


般若心経で描かれたお大師様。

般若心経で描かれたお大師様。


塀の瓦には「金、金、金、金、金、、、」

塀の瓦には「金、金、金、金、金、、、」

うさぎ 2014年06月24日 コメントNO:1341

あきゆみさん

いつもコメントありがとうございます。
国際色豊かな集いでしたね。
お遍路もグローバル化してきていますし(笑)
来月中旬には、お孫さんに会えますね。そして遍路再開!
楽しいことがたくさんあって、羨ましい?(⌒▽⌒)
写真を見て、歩いてみたいと言っていただき、嬉しいです。
歩くのはいろいろ大変なこともありますが、地味に楽しいこともありますので、ぜひ体験してくださいね。

あきゆみさんも、移動が多くタイムスケジュールですが、ご自愛ください。
これから暑くなりますね?。
真夏の遍路道を思い出す、うさぎです。

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玄田 2014年06月24日 コメントNO:1343

うさぎさん*こんにちわぁ~*。

羅漢様に、何してんのあなた\(◎o◎)/!鼻水吹きかけられそう(笑)
下りの山道長いですね、小学生も居て、賑やかな山道でしたね、
大興寺の手前2キロ競歩ですか、気持ちは、分かります、女性の歩き遍路の一番困る事だよね、ご苦労様でした。

辻さんの事、思い出しました、自分だって疲れているのに、水を買いに走ったよね、うさぎさんの気持ち伝わってるから、度々お接待に現れるんでしょ、
老夫婦のときだって、荷物を置いて走ったんでしょ、幽霊だったとしても、気持ちは伝わってるさ、だから安心してて良いんじゃない。

山降りてきたら、長閑ね、普通の道だ、かんぽの宿ずねえな、道からは木が邪魔でよく見えないが、空から見るとずねー。

帽子パン、見たこと無い、又今度、都会に出かけたら探します、
アイスクリン友達に聞いたら、昔小さいの袋に入って売ってたんだって、
諦めずに探すのだ。
藤棚に、豆が沢山なってるです、青々とした幅広のインゲン豆みたいで、美味しそうなんです、うさぎさんの食いしん坊がうつったようです(>_<)

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うさぎ 2014年06月26日 コメントNO:1347

玄田さん

こんにちは、玄田さん。
五百羅漢、凄く面白くて可愛い像が多いです。
この鼻の像は、どうしても指を入れてみたい衝動にかられます(笑)
罰当たりですね、、、σ(^_^;)

おトイレ、本当に困ることが多かったです。
おトイレがある時は行きたくならないのに、無いと行きたくなるのは何故かしら、、、?!
歩き遍路が小走りの時は、きっとおトイレですね。うん、間違いない!

ふふっ、玄田さんも負けず劣らず食いしん坊ですね(笑)
幅広のインゲンって、マンズなるインゲンですか?
最近、ご近所さんから頂いたのがマンズなるインゲンと言う名前でした。
東北の言葉なのかな?たくさん採れるインゲンなんだとか。
藤棚なインゲン、胡麻和えにしてください)^o^(

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  • 年代:50代
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