作成日:2014年06月17日 訪問日:2014年04月22日
64番札所 石鈇山前神寺
朝食を済ませ、午前6時半三人でビジネス旅館小松さんを出発。
私は、直ぐに必要のない薬などの荷物を、一週間後に泊まる予定の宿に送るため、近くのローソンへ向かった。
少しでも荷物を軽くし、次の難所雲辺寺に挑むためだ。
ダンディ水谷さんと東京の優しい男性には先に進んでもらうことにした。
ローソンで荷物を二キロ弱送ると、ザックはかなり軽くなり、股関節への負担も少なくなったのが分かった。
「よし、張り切って行くぞ!」
金剛杖を握り締め、ローソンの前で仁王立ち。
すぐさま、二人の後を追い住宅街の遍路道へと入って行った。
すると前方から車が来て私の前に止まった。
助手席から降りてきた女性は、なんと前回お世話になった伊予三島の増田さんだった。
お互いに駆け寄り、抱き合い再会を喜んだ。
実は、昨夜メールがあり、前神寺手前の宿に居ると知ったご夫婦は、今日荷物のお接待をしてくださると申し出てくださったのだ。
しかし、いつもお世話になりっぱなしで申し訳なく感じていたため、申し出を断っていた。
それなのに、私がどの道を歩いているかわからないのにも関わらず、わざわざ探しながら駆け付けてくださったのだ。
増田のお母さんが
「どうして荷物を運ばせてくれないの。あなたに会うのを楽しみで、あなたに何かしてあげたくて、ずっとずっと待っていたのに、来るな!なんて言わないで。」
涙を浮かべて一気に話した。
「ごめんなさい、お母さん。申し訳なくて、お願いできませんでした。」
私も貰い泣き。
毎日のように応援メールをしてくださる優しい増田さんご夫婦。
前回も幾度となく助けていただいたのだ。
「遠慮なんかしちゃダメ。私達はあなたを娘だと思っているんだから。」
こっぴどく叱られた。
お父さんが車から出て来て、私のザックを車に積み込み、
「乗ってく?」
と言って、今度はお父さんが叱られる。
「お父さん、ダメよ!この子は歩くんだから。」
「前神寺で待ってるから、気を付けて来なさいね。」
お母さんの言い付けに従い、お父さんと私は動き出す。
更に身軽になり足取りは軽い。
通勤通学の人達と朝の挨拶を交わしながら、午前8時半64番札所前神寺に到着した。
境内のベンチには既に増田さんご夫婦が待ち構えており、着くや否や一緒に本堂、大師堂へお参りする。
大師堂では、またまた今回も増田さんご夫婦にお世話になることを報告し、お二人の無病息災をお願いした。
納経を済ませ、ちっちゃい招き猫と、前回買ってお気に入りになった黄金の鈴を購入した。
ちっちゃい招き猫は二個買い、増田のお母さんのお財布に一つ入れていただいた。
増田さんご夫婦に連れが居る事を話し、今夜の宿までみんなまとめて荷物をお願いすることにした。
本日は、ここで一旦増田さんご夫婦とはお別れをする。
明日も一日荷物のお接待に駆け付けてくださることになった。
前神寺の駐車場でお二人を見送り、また三人で歩き出す。
「またお接待だなんて、すごい人脈だね。」
お二人が言う。
「四国の方は、義理人情に厚いんです。本当に親切な人ばかり。」
そう言うと、二人もウンウンとうなづく。
今日はこの先に札所も無いため、お二人は金剛杖だけ残し、ほとんどの荷物を預けた。
私は金剛杖とさんや袋一つ。
しかも、増田さんご夫婦は別れ際に、お腹が空いて行き倒れないようにと、チョコレートケーキやお菓子をたくさん持たせてくださった。
私の性格を見抜いていらっしゃる。
三人で、入れ替わり立ち替わりおしゃべりしながら、長閑な田んぼ道を歩いた。
天気も良く、荷物も無く、腑抜け状態で宿に向けぶらぶらブラブラ歩く。
午前10時を過ぎた頃、疲れてきたため何処かで休憩しようと言うことになったが、周りは田んぼや住宅しかない。
前神寺から10キロポイントで遍路道は国道から住宅街へ入る。
しかし、遍路道には飲食店が無いかもしれないので、そのまま国道を直進することにした。
萩生地区を歩いていると、一軒の喫茶店があった。
「はら珈琲」
時刻は午前11時になろうとしていた。
お昼ご飯も兼ねて休憩しようと店舗外のメニュー板を見ると、珈琲とトースト類しかないようだった。
お二人が
「軽食しかないけど、どうする?」
とグルメ大師の私に問いかける。
「フレンチトーストがオススメの珈琲屋さんじゃないですか?!入る入る?!」
日頃、三食パンの生活をしている私には、願ったり叶ったりのお店だ。
スキップ状態で入店。
オススメのフレンチトーストを三人で注文する。
すると出てきたフレンチトーストは分厚くて、アイスクリームが乗った上からトロ?リシロップがかかっているではないか。
「正解です!このお店で正解です!」
興奮する私に負けず劣らず、お二人も目をキラキラ輝かせていた。
珈琲もフレンチトーストもすごく美味しく、大満足であった。
実は三人とも甘い物が大好きなのだ。
次の休憩ポイントはここから約10キロ先の
「コーヒーハウスホットワン」
と決めていた。
お二人にその旨を伝え、満腹三人遍路は再び歩き出す。
春とはいえ、日が照りつけると暑くて直ぐに体力を奪われた。
フレンチトーストを食べて二時間弱で国道の長い上り坂に差し掛かった。
あと少しでお目当ての喫茶店。
前回は猛暑の中、この喫茶店でかき氷を食べて復活したのだ。
かき氷!かき氷!と呪文を唱えながら上ると、なんと無念の休みだった。
この先にお店は無かったはず。
がっかりしながらトボトボ宿に向け歩き続けた。
国道から田んぼ広がる遍路道に入り、JRの踏切を越えたところで、何とジャックと遭遇した。
三人で
「あっ!ジャックがいる!」
「ジャックだ、ジャックだ!」
と子供のように騒ぐ。
ジャックが小さな商店に入ったので、先回りして休憩し、待ち構えることにした。
すると、しばらくしてジャックが片手におにぎりせんべいの袋を持ち、モグモグしながらやって来た。
そしてニヤニヤして座っている私達を見つけて驚いた。
期待通りの驚き顔を見せてくれたのだ。
ジャックは、一目で私達が空荷であることを指摘した。
しばらく四人でおしゃべりを楽しむ。
ジャックは横峰からの下りの通行禁止を跨いで下りて来たと自慢気に話す。それを聞いて注意しようと思ったが、口は災いの元。
また生意気な事を口走りそうだったので、おじさま達の話を黙って聞いていた。
今夜の宿は、前回もお世話になったつたの家さん。
ダンディ水谷さんと同じ宿だった。
東京の優しい男性とジャックは、すぐ近くの松屋旅館さんに泊まる。
四人で宿に向け残りの2キロを歩いた。
午後3時15分、宿に到着。
荷物は増田さんご夫婦が届けてくださり、今日は肩凝りもなくチェックインできた。
夕飯は、以前お会いしたことのあるお遍路さんを交え、三人で食べることになった。
女将さんが笛の名手だと聞き、ダンディ水谷さんが荒城の月をリクエストした。
笛の音は、思っていた以上にしっかりした音色で、とても迫力があり、着物姿の女将さんが素敵だった。
可愛らしい若女将も接客してくださり、男性陣が鼻の下をビローンと伸ばした夜だった。
前神寺大師堂
武丈公園近くの伊曽の橋。鉄琴がはめ込まれていて、誰でも鳴らすことが出来る。ダンディ水谷さんが嬉しそうに叩いて歩いた。
歩道にあった水仙?車の往来の邪魔になるのか、綺麗に三つ編みされていた。
花とお遍路さんは絵になります。モデルは、東京の優しい男性。
増田さんが持たせてくださったチョコレートケーキ、皆で仲良くいただきました。
今日のランチはフレンチトースト!ボリューム満点で絶品。私に付き合うと時折この様なランチメニューになるのだ。二人のおじさまは、意外に満足していた。甘い物大好き三人組である。
くまモン?ちょっと体型がふなっしーみたい。まさか新たなキャラクター、くまっしーかも!?
とうとう徳島の標識が出た。四国をぐるり回っているという実感が!
お世話になったつたの家さんで、女将さんの笛の生演奏があった。初めて聴いた笛の生演奏は、迫力がある音色で驚いた。何処か儚げなところもあり、聴き惚れた夜だった。
前神寺のちっちゃい招き猫。猫好きにはたまらない。
うさぎさん。こんばんわです。
懐かしいな~。最初にうさぎさんと会った場所ですね(^^v
今、思えばあの時は奇跡でした。
三角寺でお会いしたご夫婦。また来てくださったんですね。
なんかテンション上がってきた。早く週末こないかな~。
道中記の続き楽しみにしてます。(^^v
dion.ne.jp
あきゆみさん
こんにちは、あきゆみさん。
お仕事、お疲れ様です。
お接待系?違いがあるのですか??
ご親戚の歩き遍路、楽しみですね。
あきゆみさんのバックアップがあれば、きっと楽しい旅になりますね。
全国を飛び回り、イベントも多くて大変かと思いますが、引き続きお遍路頑張ってくださいね。
再開は真夏とのこと。
夏の遍路は体力面が心配です。
外食も多いようなので、今から栄養満点食で体力蓄えておいてくださいね?*\\(^o^)/*
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ととろさん
こんにちは、ととろさん。
お元気ですか?
出張が多いようですね、梅雨だから雨に濡れて風邪ひかないようにしてくださいね。
前神寺、懐かしいですね。
前回はおトイレ前のベンチでととろさんを待っていた事を思い出します。 あれから何度かの奇跡でととろさんとお会い出来たこと、お大師様に感謝しています。
もちろん、ととろさんにもね!
今は9回目の巡礼中でしたよね?
無事に旅を終えること、いつも応援しています。
頑張ってくださいね?(=^ェ^=)
au-net.ne.jp
うさぎさん、こんばんは(^^)/
今朝、無事♂赤ちゃん誕生しました(^-^ゞ
これも、お大師様…うさぎさん、皆さんのお陰です!!ありがとうございましたm(__)m
ocn.ne.jp
あきゆみさん
お孫さんのお誕生、おめでとうございます!
待ちに待った誕生ですね。
良かった良かった。
産後のお母さんもお元気ですか?
あきゆみさんは、お孫さんが増える度に、
一人目はジー。
二人目でジージになり。
三人目はジージージですね(笑)
蝉の鳴き声みたいです。
四人目を期待しています。
本当に、おめでとうございました。
au-net.ne.jp
うさぎさん
お大師様…周りの皆様逹のお陰ですm(__)m
はい♪母子共々、元気です!流石に、この場では写真アップは、出来ませんから…(^^;)
あはっ!「生涯少年」でと思ってましたが…孫ができる度、「もう、そんな時期か…」と、感じます(((^^;)
公私共々、何かと色々と忙しくなりそうですが、1200年…必ず、満願します!(^人^)
「同行二人+皆様」と(*^o^)/\(^-^*)
ocn.ne.jp
うさぎさん、こんにちは。
一週間先の宿が読めるんですね、すごいです、
家を出る前に、だいたいの日程を考えていたんでしょけど、2週目だし、歩くペースもつかめると、可能なでしょうね。
荷物を送る何て、かしこいですよ(#^.^#)
増田さんの奥様の、どうして荷物を運ばせてくれないの・・・
まるでTVドラマの様です、
感動して私も泣いてしまいました・゜・(ノД`)・゜・
まさに、伊吹さん御夫婦とは運命の出会いだったね、
伊吹さん御夫婦と出会って無ければ、増田さん御夫婦に会う事も無かったでしょ、道中記では書けない、うさぎさんの、胸の内を(伊吹さん御夫婦と一緒に歩いていた居た頃)聞いて、知ってるんだよね、
読んでた、私には、細かい所はもちろん分からないけど、なんとなく読み取れていました、だから、うさぎさんが元気に成られて、とても嬉しいです、増田の奥様の気持ちが良くわかります、泣かずに居られませんよ、
私が勇気を出して、ログ無しで最初にコメ書いたのは、つづらちゃんと焼山で転がった頁でした、
でも認証がうまくいかなくて送信出来ず、(認証は毎回必要です)消えてしまいました、その後も何回か書いて見ましたがダメでした、
今回、周り始めた時、何とか応援しなきゃと頑張って、やっとコツが飲み込めて、書ける様になったのが、室戸の当たりまで来た頃でした、
だからね、増田の奥様と同じ様な気持ちの方は、道中記を読んで下さっている方の中にも、沢山居ると思うのです。
荷物も無くて、楽しいそうな3人組ですね、時代劇の3匹がきるを、思い出しました、あ、一匹足りないか。
お遍路さんは、皆食べる楽しみが、共通みたいですね。当たり前か(・∀・)
今日は、油断してた、遅くなってしまった、早く寝なきゃ、言われてたのにね(*´∀`*)
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あきゆみさん
こんばんは、あきゆみさん。
母子共に健康と聞き、私も嬉しくなりました。
生涯現役は聞いたことありますが、生涯少年は初耳です(笑)
でも、お孫さんが出来ても、いつまでも少年の心を持ち続けてくださいね!
1200年の満願、超多忙なあきゆみさんですが、頑張ってくださいね!!
応援しています。
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玄田さん
こんばんは、玄田さん。
夜更かししちゃいましたねぇ?。
疲れは出ていませんか?
さて、遍路の日程ですが、前回を参考におおよその行程は考えて出発しましたが、私の場合ほとんど予定から外れ、毎日がその日暮らしでした。
男性の方がキッチリ予約していましたね。
夫が来てくれる3日間だけは、事前に予約していました。
増田さんや皆さん、本当に親切にしてくださり、皆さんの助けがあったからこそ、私は無事に遍路旅を終える事が出来たのだと思います。
四国を歩く時、お大師様が一緒だから一人じゃないとよく言われますが、私にとっては出会った方皆さん一人一人がお大師様でした。
たくさんの方々と一緒に、歩いて来た道だと感じます。
もちろん、玄田さんもそのお一人。
応援の言葉をいただき、頑張れた私です。
本当にありがとうございました。
玄田さんはずいぶん前から日記を見てくださっていたのですね。
びっくりしました。
私が四国を歩き始めた時からなんですね、ちょっと恥ずかしい?(笑)
どうですか、私、たくましくなりましたか?
これからも、よろしくお願いします。
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