作成日:2014年05月05日 訪問日:2014年04月19日
55番札所 別宮山南光坊
延命寺から住宅街を歩くと、遍路道は田んぼや畑の長閑な道へと続く。
高速道路をくぐると、前方に丘が見えた。
前回歩いた記憶が蘇る、懐かしいお墓の道だ。
アスファルトの坂道を上がると階段があり、階段を登ると広い大谷霊園があるのだ。
前回はこの階段を上がったところで、おでこ、ほっぺを蚊に刺され、酷い目に遭ったのだ。
お墓参りをしている方々が、丁寧に挨拶をしてくださった。
霊園を過ぎると交通量の多い道に出る、今治駅に続く道。
ゆっくりとした長閑な道から、急に建物がひしめく街を歩くのだ。
暑さ増す中、午後1時過ぎ55番札所南光坊に到着。
歩き遍路さんが数人お参りをしており、少しお話をしたが、ほとんどの方はこの南光坊で区切り、今治駅から帰られると言う。
本堂、大師堂で家内安全、無病息災を祈願し、先ほどお話をしたお遍路さんが無事ご自宅に帰られるよう、お大師様にお願いした。
納経所では、前回納経帳に
『名前、念ずれば花ひらく』
と言う言葉を書いてくださった方が居て、今回も納経帳と掛軸に名前を書いてくださった。
筆を使いキレイな字で書いて頂くと、とっても愛着のわく納経帳になるのだ。
この先も、頑張ってお参りしようと心に決め、休まず歩き出した。
南光坊からほぼ直線の住宅街を30分歩く。
お寺手前のコンビニに入り、サンドイッチやパンを買い、外に出ると若くてちょっと怖そうなお兄さんが近寄ってきたので、ビビっていると
「これ、良かったら飲んでください。一人でしょ?凄いね、頑張って!」
とペットボトルのお茶をお接待してくださった。
普通の顔は怖いが、笑うと凄く優しく見えた。
つい、呼び止められた瞬間、構えてしまった自分が恥ずかしかった。
笑顔って、大切だ。
人に与える印象は、やはり笑顔が一番素敵に見えるのだろう。
強面のお兄さんにお礼を言い、食べ物をぶら下げで歩き出す。
コンビニから数分で、56番札所泰山寺に到着だ。
境内には、三人の車遍路さんが居て、久しぶりに渋滞は無く静かな空気が流れていた。
本堂、大師堂でお参りを済ませ、納経所に行く。
誰も居ないのでベルを鳴らすと、納経所の方、、、では無く、白いワンちゃんが!
10センチほど空いた納経所のガラス窓から顔だけ出してくれた。
とりあえず、ボケるのがお約束だろうと
「ワンちゃん、お願いしまーす」
お軸を差し出すが、ベルを鳴らして直ぐに出てきたわりには、ウンともワンとも言わないのだ。
「ワンコちゃん、書いてよ書いてよ?」
そんなことをしている後ろから、若い歩き遍路さんが
「どうしました?犬、、、ですか、、、」
私が誰かと話していると思えば、犬だったことにちょっと引いていたようだ。
お恥ずかしい。
再度ベルを鳴らすと、しばらくして、納経所の方が出て来てくださり、ワンちゃんは静かに隣の座布団に丸まって寝ていた。
危うく記念スタンプが肉球になるところだった。
午後2時、泰山寺を打ち、次へと向かう。
お寺を出て右に少し歩くと、細い道を左へ遍路道は続く。
この先には真新しい東屋があることを覚えていた。
ここで、2回目のランチをしようと決めていたのだ。
この東屋を通過すると、直ぐに次の札所、それを越えるといよいよ仙遊寺に登る山の中なのだ。
食べるポイントはここが一番!
10分ほど歩くとお目当ての東屋に到着。
新しいスダレがかかっており、西陽を遮る他、外から食べている姿が見えないので安心して大口が開けられる。
しばらく休憩し、本日残りのお寺2札所を一気に打つ寸法だ。
食べている間は、なるべく靴を脱いで足を乾かすようにしている。
汗で足が湿るとマメが出来やすいからだ。
満腹になり、東屋から直ぐの川沿いを歩く。
自転車の特訓なのか、かなりの台数の自転車の皆さんが元気に挨拶をしてくださった。
川を渡り右へ、草むらの土手を通過し、田んぼ道から山道へと入って行くと、57番札所栄福寺に到着。
納経所は新しくなっており、隣に近代的な建物までそびえ立っていた。
駐車場はほぼ満車、たくさんの方がお参りしていた。
時刻は午後3時になろうとしている。
ここまで来ると、全身汗だくで、髪は菅笠でぺったんこ。
靴も土手を歩いたから汚れている。
そんな姿で、リアルゴールドを腰に手を当て飲んでいる私。
おばちゃんを通り越して、おじちゃん化しつつある自分に気付いてしまった。
周りを見ると、女性はキレイにお化粧してパンプス履いて、着ている白衣も何だかオシャレに見え、可愛いのだ。
遍路旅をしていると、つい女性である事を忘れてしまうことがある。
それどころか、おトイレに行きたい時は男性になりたいと思うことさえある。
お参りを済ませ、今日最後の札所に向けてまた歩き出す。
その姿は、お蕎麦屋さんから暖簾をくぐり出る、爪楊枝で歯をちぃーちぃーするおじちゃんのようである事は、間違いない。
ありがとよ!また来らぁ?!
追記
後から聞いた話だか、泰山寺へ行く道は真っ直ぐ。
迷う人はいないと思っていたら、東京の寿司屋の大将が、泰山寺を通り越して次の札所栄福寺への矢印を見てしまい、なんと!
『打ち飛ばし』
をしてしまったと言う。
栄福寺に着いて通り越した事に気付き、戻ったようだ。
人伝えに聞いた話ではあったが、横峯を越えた宿で、本人からその衝撃的な事実を聞いてしまった。
「祭りの幟で、寺が見えなかった。えらい目に遭ったよ。」
それはそれはショックな出来事であっただろう。
「私達より、たくさん修行しましたね。お父さんの武勇伝は、語り継がれることでしょう!
でも、次の札所が近い所で良かったですね(笑)」
大将も、その場は辛かったが、今思えば楽しかった思い出だと、話していました。
南光坊へ向かう途中にある壁画。何だかめでたくて撮影!
霊園に続く階段
南光坊
泰山寺の大師堂。魚が、、、
泰山寺の納経所のワンちゃん。肉球の記念スタンプになるところだった。
栄福寺に向かう遍路道、これだけ貼ってあれば迷うこと無く真っ直ぐ行けます。
第二回目ランチ大会開催中
栄福寺に向かう川沿いの遍路道。
栄福寺到着。納経所や境内の建物が新しくなっていた。
うさぎさん、こんばんは(^^)/
1200年→混雑予測…逆打ち中ですが、今まで、すんなり打ってます(^人^)
お父様、うさぎさん、体調大丈夫ですか!?(((・・;)
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うさぎさん、こんばんは(^^)/
愛媛巡礼…54番延命寺迄打ち、徳島帰宅しました♪
「念ずれば花ひらく」…56番泰山寺駐車場に駐車した時、車の前…石碑に、刻まれてました(*^^*)
今月、5月中頃北海道行き…6月中程新潟行き…
次回巡礼…まったく未定で…又しも、猛暑の7月~8月頃かも(((^^;)
皆さま、体調気を付けてくださいp(^-^)q
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あきゆみさん
こんにちは、いつもコメントありがとうございますo(^▽^)o
愛媛巡礼、お疲れ様でした。
泰山寺に念ずればの石碑があったこと、知りませんでした(T_T)
しかし、、、連休中も混雑無しで打てるだなんて、余程の強運の持ち主だと思います!
私が巡礼していた最後の時は、どこに行っても渋滞で、特にお礼参りに1番まで逆打ちしていた時の2番札所は、見たことの無い混雑ぶりでした。
お仕事、各地を回られて大変お忙しいようですね。
次回の予定は夏真っ盛りとのこと。
夏の巡礼、車の方は車内の冷房との外気温差で体調を崩される方がいらっしゃるようでした。
水分補給と、日焼けにご注意くださいね!
次回の巡礼まで、お仕事バリバリ頑張ってくださいね!o(^_-)O
どちらも、応援しています*\\(^o^)/*
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庭園の中を歩く道も有りましたが、お墓の中を歩くんですね、シールが無いとどっちへ行ったら良いか分からなく成るね、
耳とか蚊に刺されて、痒いとな・・・我慢我慢、修行の一つだ( >Д<;)
納経所では、色々有りますが、犬や猫が居ると、和むでしょ、
うさぎさんとワンのやり取りも、なかなか良い、楽しいお遍路さんに成っている。
大丈夫、汚れた服で、腰に手を当ててリアルゴールド飲んでいても、
汚れる道を汗だくで歩いてきて、喉が乾いた、女の子にしか見えないはずだよ、皆、分かっているよ、女性らしさは、姿だけでは無いもの。
只今、藤棚満開、くまんばち、熊さんだけに、プーさん1号・・・12号数え切れない、皆優しい訪問者です、そばに来ても刺すことは有りません、花に夢中です。
震災直後、お隣の静岡に避難してた時、娘が急病で手術して、生後5ヶ月の孫と家事を引受ました、24時間のママより大変だったのは、娘の旦那に、何食わせよう、毎日悩んだよ、娘に、ほんとの母親より母親らしいと、おほめの言葉を頂きました。
私は、女なのかも知れない(+o+)
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玄田さん
返信遅くなりましたm(_ _)m
ご無沙汰しています、お元気でしたか?
遍路旅ではよく虫に刺されます。
山歩きの時は虫に注意しているので、意外と刺されないのですが、舗装された草むらの道では蚊に襲われていました。
前回も、このお墓に向かう木陰でぼんやりしていたら、四ヶ所くらい刺されたと思います。
その後のお参りが大変!痒くて痒くて、お経を唱えるのも一苦労でした。確かに、これを我慢するのも修行なのかもー(>人<;)
長く旅をしていると、本当に女であることを忘れます。
時には日焼け止めさえも忘れて歩いてしまい、ヒリヒリ。
暑い日は歩いた後の生ビールをプハァ?と言って飲んでるし、、、特に立ちションしているおじさま方の姿を見ると、私も男だったらと、何度も思いました(笑)
女らしさは姿だけじゃないとの御言葉、ありがとうございます?T^T
藤の季節もすっかり終わってしまったかな?クマンバチは案外大人しいのですね。
次はどんな花を愛でているのでしょうか???
お嬢さん、ご病気はもう大丈夫なのですか?
小さい子供がいる時の入院は、大変だったことでしょう。
玄田さんが奮闘している姿を想像してしまいました。
女性、というか、やっぱり母は強しですね!家族を心配する玄田さんのお母さんぶり、きっと見事な働きだったことでしょう。
私も、何だか頑張らないと!という気になりました。
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