作成日:2014年04月29日 訪問日:2014年04月16日
46番札所 医王山浄瑠璃寺
古岩屋荘で、久しぶりの広いお風呂を堪能。
お遍路さんが多いのか、三台しかない洗濯機はフル稼働で、お風呂上がりにしばらく待つ。
隣の洗濯機を待っていた男性は、脱水が終わった瞬間に入っていた洗濯物を外に出し、自分の洗濯物を入れていた。
待っていた洗濯機が終わり、しばらくして持ち主が取りにきたので、私も洗い始める。
髪が濡れたままで少し寒かったが、下着の入った洗濯物を誰かに取り出されるのが嫌なので、終わるまでジッと待つことにした。
待っていると松山の男性と、よくしゃべる大阪の男性がやってきた。二人とも洗濯機待ちの人だ。
松山の男性が、
「なに、ずっと待ってたの?」
と気の毒そうに言う。
「下着が入っているから、誰かに出されるのが嫌なので待ってます。」
すると、大阪の男性が
「そんなもん当たり前やん、次の人が使えないやろ!」
とおっしゃった。
夕方6時になり、みんなで夕食を食べる。
するとフロントにあの野宿していた若い外人の二人が居た。
今夜はここに泊まるのかと思い声をかけると、お風呂だけ入りに来たと言う。
満室だったのかと思い、フロントの方に確認すると、空室がある。
二人に空室があると言うと、お風呂だけ入って、野宿すると言うのだ。
ここは山の中、朝晩はかなり寒いだろう。
ここまで長く野宿旅をしてきた二人だが、野宿慣れしているとはいえ、放っておけない。
「宿泊代を私が出すから、今夜は泊まっていきなさい。」
しかし、彼らは
「あなたにお金を出させるわけにはいかない。野宿します。」
と言う。
まるで日本人のような遠慮する腰の低さだ。
「こんなに寒いのに、二人が風邪をひくんじゃないかと心配なの。だから、遠慮しないで私に任せて。」
どれだけ言っても、
「僕たちは大丈夫。風邪はひかない。親切にありがとうございます。」
根負けして、気を付けて行くように言葉を添えた。
ふと見ると、彼らの荷物には食パンと僅かなスナック菓子の入った袋がくくり付けられているのが見えた。
食事の席に戻ったが、自分の目の前には豪華な食事が並んでいる。
あの子達、日本に来て病気になって帰るようなことがあっては、国元のご両親も心配だろう。
だけど、私が宿代を出すと言う差し出がましいことをしてはいけなかったのかも知れない。
何か私に出来る事は無いか、、、そうだ、食事だ!
腹が減っては戦が出来ぬ、腹が減っては体力もなくなるのだ。
直ぐに厨房に行き、今から何か作れるか聞いてみた。
もうラストオーダーの時間は過ぎていたが、厨房の方に事情を話すと快くカツ丼ならできるよ、とおっしゃってくださった。
彼らがお風呂に入っている間に作っていただき、宿を去る彼らに、
「温かい食事、食べると元気になるよ!おやすみなさい。」
それだけ言って手渡すと、二人は可愛い笑顔でお礼を言うと暗い山道へと消えていった。
私達の食事も終わり、席を立つと大阪の男性が
「あっ、洗濯物入れっぱなしだわ。はははは?っ」と帰って行った。
次の使用する人が困るから、終わったら直ぐに取り出すのが当たり前だ!と言う男性の言葉を思い出し、ズッコケた。
翌朝、ダンディ水谷さんと次の札所浄瑠璃寺に向けて出発した。
歩き始めて直ぐに、この旅に出た初めての夜、宿でご一緒した東京のお寿司屋さんの大将と再会した。
向こうも直ぐに分かったのか、二人で手を取り合って喜んだ。
今夜は同じ宿だと言うので、夜ゆっくりお話ししましょうと約束して別れた。
国道に出た直ぐのドラッグストアで湿布を購入、次にあるコンビニでお昼ごはんを買った。
コンビニから出ると、ダンディ水谷さんは先に歩き始め、私もザックに買った物を詰めて担いでいると、車から一人の女性が降りて来て、ワッフルをお接待してくださった。
お店から出て来た時、ずっとこっちを見ていた方だ。
どうやらダンディ水谷さんが立ち去り、私だけになるタイミングを狙っていたようだった。
「私も昨日お遍路旅から帰ってきたばかりなの。あなたも頑張ってね。」
そう言って、走り去った。
頭を下げて車を見送り、ダンディ水谷さんの後を追う。
国道の坂道を延々と上り、高速のインターを越えたところにある東屋でランチにすることにした。
そこには、あの若い外人二人が休憩していた。
再会して喜び、二人が元気そうだったので、ホッとした。
二人は、昨日のカツ丼がすごく美味しかったと一生懸命お礼を言ってくれた。
今夜は松山の友人の所に泊まると言うので安心していると、その友人に電話して欲しいと頼まれた。
すっかり友人は日本人だと思っていたら、出た相手はバリバリの外人だったのだ。
「ちょっとー、外人さんじゃない!はい、出て出て。私はJapanese Onlyだよ?」
慌てて携帯を投げる。
後で教えてくれたのだか、フィンランドとイギリスの男の子で、フィンランドの携帯から電話すると、確か一分1500円かかると言っていた。
ビックリだ!!
出発する彼らは、納札に名前とアドレスなどを書いたものを渡してくださり、メールをしてねと笑顔で手を振り歩いて行った。
長い三坂峠の下り道を歩き、お接待で有名な坂本屋さんの前を通過。
ちなみに、前回も今回も坂本屋さんは閉まっていた。
宿を出て6時間後の午後1時40分、今夜お世話になる長珍屋さんに到着。
ザックを預けてすぐ目の前にある46番札所浄瑠璃寺に到着したのだ。
お参りしていると、ダンディ水谷さん、松山の男性、大阪の男性が次々に到着した。
納経所の女性は、穏やかな話し方でとても気品があり素敵な方だったのが印象に残った。
続けて10分ほど歩いた所にある47番札所八坂寺を打った。
ここにはネコがぐうたら寝ていて、長閑だった。
今夜の宿、長珍屋さんで宴会をすることにしている。
前回の旅でも宴会だったのだ。
楽しみだ?。
古岩屋荘からしばらく歩いた、朝の県道12。芝桜や水仙が綺麗に咲いていた。
カツ丼を食べて元気になった二人と。これからも頑張って歩くぞー!
すごい荷物。持ってみて!と言われ渡されたが、潰されるところだった。
長い下りの三坂峠入り口。国道を延々と上り、この入り口から急な山道を延々と下るのだ。
三坂峠に幾つかあったオレンジのドロドロが付いた切株。いったいなんなのか?!水が滴り落ちていて不気味だった。
いつも閉まっている坂本屋さん。今回も残念だった。
浄瑠璃寺の境内
だっこ大師。だっこしたら、中から鎖が伸びてきて持ち逃げ出来ないようになっていた。
八坂寺到着!今日は順調に打つことが出来た。
山門をくぐるとネコがお昼寝中でした。ベローンと伸びて寝ている姿は、安心しきっているのが分かる。
頭に、、、
萌え?
八坂寺の山門?入り口の天井絵。綺麗だった。
うさぎさん、こんにちわ~。
お久しぶり…のような気がしています。河童です。
凄いコメントの数で驚いているところです((+_+))
河童とのすれ違いストーリーまで取り上げて頂き有難うございました(^_-)-☆
一体どこですれ違ったのか、未だに分かりません。
多分、私の予想外れでは無いかと思っています。か、トンネルの中、水しぶきを上げて走り去ったのが私かも…(;´・ω・)
あの濃霧、雨、同じ日に経験しています。
ホテルのコンビニで絶対声かけるのだと、これはストーカーではないのかな?と思いましたが…しっかりとうさぎさんの好物の甘いものを買いこんでました。結果は、(>_<)しっかりとその後私の胃袋に納まってしまいました。
ヤモリはそうそう家の守り神と言います。
夏は家の中にどこからか入ってきますよ。
ヘビが家に入ったら、その家はいいんですよ?ご存じですか?
でも、ついついどちらも可愛くないので悲鳴は出ます。仕方がない!!
道中記読んでて、すでに香川で、もうすぐ結願なんだということを知りました。
楽しく読ませて頂きました。
色々と感じ思うことが出来ました。
有難うございました。
でも、やはり自分が経験しないと思うばかりでは時間が経つと忘れてしまうような気がします。
今私はまだまだ30札所が終わったばかり。
これから先は、バスツアーの皆様とのつながりも大事にして色んなことを感じながら巡拝していきたいです。
GWは河童は仕事なのでうさぎさんを追いかけることが出来ません。
無事に結願できますように。
心から願っています。
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萌え?って書きますよね^o^
それ石手寺のカフェで作成されてるんです
も遍路カフェって店で(^-^)
昨年できたばかりで 凄く面白いのでほんとは
うさぎさんそこに連れて行きたかんですよ?
店に前の橋に端でうたた寝して見逃しちゃい
ましたけど(≧∇≦)
今日は 先月うさぎさんと会った井戸寺まで
打って来ました。もうそろそろ結願ですかね?
頑張って下さい
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うさぎさん、河童さん、皆さん、こんばんは(^^)/
うさぎさん、体調大丈夫ですか!?(((・・;)
雲辺寺…はい、確かに「雲-辺-寺」でした(((^^;)
各お寺名…確かに、由来意味ありますね(^-^ゞ
私達は、今度の4連休中…65番三角寺 →60番横峰寺…飛び飛び逆打ち予定です(^人^)
うさぎさんの、無事結願…お祈りしてます(^人^)
気を付けてp(^-^)q
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河童さん
心のこもったコメント、本当にありがとうございます。
甘い物、いろいろ考えていてくださったこと、嬉しいです。
河童さんはこれからまだまだたくさんの出会いや、札所での楽しみがありますね。
是非、一期一会、大切に旅を続けてください。
私も河童さんの結願、最後まで応援しています!*\\(^o^)/*
いよいよ私は最後のひと踏ん張りです。
終わるのがちょっと淋しい気もしますが、、、現実の世界が待っていますぅ?(ーー;)掃除、洗濯、食事の支度。
張り切って結願目指して歩いてきますね!
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ととろさん
知りませんでした、萌え?の柄杓が石手寺近くのお店だなんて!!
何でも萌え?になるものなんですね。感心しちゃいます。
ととろさん、いろいろありがとうございました。
あと少しで、私の遍路旅も終わります。
一度目、二度目ともそれぞれに、違った思い出がたくさん出来ました。
一度目では見えなかった物が、二度目では見えてきたり。
また、二度目では忘れかけていた初心に戻る事の大切さ。
あと少しで私の遍路旅が終わります。
またいつか四国に帰ってこれたら、いいなぁ?。
いつも応援ありがとうございます、最後まで頑張りますね!
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あきゆみさん
お寺の名前、本当に行くと分かりますね。
雲辺寺、確かに雲辺でした(笑)
私の体調は、随分と良くなり、薬の量も減ってきました。
なんとか結願まで辿り着けそうです。
いつも応援ありがとうございます。
あと少し、頑張って歩いてきます( ̄^ ̄)ゞ
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うさぎさん、無事にゴールできて、良かったね。
私は連休後半に休みが取れそうなので、帰省する長男を誘いうどんを食べに行きます。
私の希望は11番~12番歩き遍路に挑戦したいです。
長男は数年前には高松に住んでましたから、四国は詳しいです。
朝一番に藤井寺まで送ってもらい夕方に焼山寺に迎えに来てもらおうと思っています。
うさぎさんみたいに全行程歩きは当分無理ですから、ところどころ歩きます。
今後も身体をお大事に。
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あっぷるさん
応援、ありがとうございました。
おかげさまで、無事結願することが出来ました。
長いようで、あっという間に終わってしまった遍路旅でした。
通し打ちの大変さと、楽しさを経験することが出来たのは、本当に良かったと思っています。
夫や、応援してくださった皆様に、感謝!!m(_ _)mです。
連休に焼山寺アタックに挑戦されるのですね!
連休はお天気も良く、絶好の登山日和です。
私も転げた遍路転がし、楽しんできてください。
日記、楽しみにしています!(^○^)
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こんにちは。
三坂峠のオレンジのドロドロ、これは化けもののゲロに違い無い、雄叫びを上げなかったから、会わずに済んだのでしょう(笑)
自分の力では、どうにもならんい、理不尽な出来事や、深い悲しみ、苦しみ、分かつていても人の力では、どうにもにも出来なく成ったとき、誰かに、何かに頼るしかなくなる、自分の心の中に居る誰かだ、それは、人それぞれ、神様だったり仏様だったりする、そして、心の底から信じ祈る事で助けていただく、この祈りに、宗派や人種、国境も無いと私も思う、
そんな、祈りのの旅、スタンプラリーの様に、とりあえずお経を読んで回っている人達も、皆んな、まとめてお遍路さんだね、
この外人の二人だつて、気温2度まで下がる寒風のなか野宿して苦労している、
宿代があれば楽だろう、おなじだ、峠道を超えなくても、トンネルを通れば楽だ、
同じ巡礼の旅をしてる、うさぎさんからの宿代の申し出は嬉しかったに違い無い、しかし彼らは、宿代の本質を弁えている、彼らは、うさぎさんの宿代が減る事の方が困るだろ、彼らも色々考えながら歩いているのだと思った。
やっと山を降りてきて、今回のうさぎさんの遍路旅、峠を超えた様な気がしました。
咲き始めた、家の藤棚の下で、コブクロの桜を聞きながら、地図と道中記の中で旅をしている私でした(o ̄∇ ̄o)♪
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玄田さん
あのオレンジ!!化け物の、、、嘔吐物?((((;゚Д゚)))))))触らなくて良かった?
外人の若い二人、玄田さんのおっしゃる通り、ただ遠慮したわけでは無く、私の事を考えての事だったと思います。
出過ぎたマネをしてしまったと、夕食を食べながらずっと考えていました。
けど、放っておけなくてね、、、国籍や宗教は関係なく、同じ道を歩く同じ巡礼者だから。
若い二人の方が、遍路旅を良く理解していたんですね。
ちょっと考えさせられる出会いと、出来事でした。
お家に藤棚があるんですね。
クマンバチはいませんか?
私の日記を見ながら地図で追ってくださっている玄田さん、日記が完成するまで玄田さんの結願は終わらないですね!?
最終日は晴天の山越えです!うさぎと一緒に最後まで油断することなく、頑張ってまいりましょう?*\\(^o^)/*
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