どうしても会ってしまう

うさぎさんのお遍路道中記

作成日：2014年04月25日 訪問日：2014年04月12日
41番札所 稲荷山龍光寺

観自在寺を打ち、昨夜はホテルサンパールに泊まった。
ボーリング場を併設し、レクリエーション施設が敷地後ろにある古いホテルだ。
フロントの方はとても親切で気持ちの良いホテルだった。
大浴場もあるし、コインランドリーは無料。
素泊まりだったが、近くのコンビニで夕食も買えるので不便は無かった。

平成２６年４月１１日
朝５時半、出発。
病院で教えていただいたテーピングを右足に施し、痛み止めの飲み薬を服用。
更に痛みが増せば、ボルタレンのゼリーを塗れば何とか大丈夫そうである。
右足に注意しながら、さぁ出発だ！

今日は晴天、風がちょっと冷たい。
早朝ではあるが、国道５６は交通量が多く、トラックやダンプが通過するたび、菅笠が飛ばされそうになった。
明るくなりつつある空、真っ青な海。朝一番は気持ちがいい。

午前７時２０分、柳水大師に登るため、国道から右へと遍路道を進む。
１０分ほど緩やかな坂道を上がると、遍路道は左の草むらへ伸びて行く。
峠越え開始だ！
数歩歩いて痛み具合を確認。
大丈夫そうだと、また数歩歩く。
ゆっくり、ゆっくりと登って行くと、前方にお遍路さん発見！
ジリジリ迫り、差を詰めて程なくして射的圏内に入る。
すると、
「早いね、お先にどうぞ」
細い山道の脇に寄り、男性は道を譲ってくださった。
ロックオンされたのが分かったらしい。
「ありがとうございます、お先です。」
男性は私の後ろを付かず離れずで歩いてくる。
その先にもまた男性お遍路さんが、、、。
そんな事を繰り返しながら、歩いて行くと、後ろにおじさまが四人一緒にゾロゾロ歩いていた。

午前８時１０分、柳水大師に到着。
何とか足も大丈夫のようなので、宇和島駅近くのビジネスホテルに宿泊予約を入れた。
距離は長いが、宇和島の町なら病院もたくさんあるのが安心だった。

東屋がある度に休憩、後ろに続くおじさま四人も一緒に休憩する。
いつしか話もはずみ、お昼は何処で食べるか聞かれたので、津島かも田の東屋と答えると、みんな同じ東屋を目指し一緒にランチすることになった。
東屋に到着すると、それぞれ宿で作ってもらったおにぎりを食べたり、コンビニのパンを食べたりした。
食後、付かず離れずの距離でみんなで歩いていると、あのお酒を飲んで話の長?いおじさんに遭遇！
話が長い上に、自分の考えを人に押し付け嫌味を言うので皆が会わないようにしているおじさんだ。
昨日も、広い東屋のベンチにザックを置き座っていたおじいちゃん遍路さんに、
「ベンチは人が座る物だから、私はベンチにはザックは置かない。」
としつこく説教したらしい。
おじいちゃんと一緒にいた男性も、ベンチにザックを置いて二人で寛いでいたのだが、弱そうなおじいちゃんにだけ注意して立ち去ったのだ。
混んでいる時なら、それは当たり前の事であるが、ガラガラの東屋、時と場合によると思う。しかも反論されそうな人には説教しないのだ。
それ以降、おじいちゃん遍路さんは空いているベンチにもザックは置かず、地べたに置いている真面目さぶり。
しかも、お弁当までベンチには置かず、足元に置いているではないか。

話の長い嫌味を言うおじさんが、前方をえっちらほっちら歩いているので、敵討ちだとばかりに勢いをつけて追い抜きにかかった。
「こんにちは、お先です！」
スピードを緩めず、一気に追い抜いた。
すると
「また会ったな。あんた、はやいなぁ?」
と言うと、なんとおじさん急に急ぎ足になり私の後ろ、と言うか背後にピッタリ付いてくる。
しかも、話しながら、、、。
急ぎ足を通り越し、小走り状態になるが、それでもおじさんは負けじと「この先の道は分かるか？わしは何回も回っているから誰よりも知っている・・・」おじさんはしつこく話し掛けながら付いてくるのだ。
足が痛いため、長くは早歩きできず、津島に新しいパン屋さんがあったので、たまらずお店に逃げ込んだ。
おじさんは店外で一瞬足を止めたが、私がなかなか出て来ないので諦めて歩き出した。
ホッと一息。
怖い、あのおじさんは怖すぎる。
気を取り直してオススメ商品のクリームパンを買って食べることにした。

ちょっと進んだ松尾トンネル手前にもパン屋さんがあるので、更に何種類かのパンを買って、峠に入る前の東屋で後ろから来た四人のおじさん達と分け合って食べた。
話の長いおじさんとの出来事を話すと、なんと、四人とも被害にあった方々ばかりで驚いた。
ちなみに、パンは別腹なのだ。

午後１時４０分松尾トンネル越えの峠を越えて、採石場の横を通過し、後は国道５６をひたすら歩いて午後４時３０分、宇和島のホテルに到着したのだ。
ホテルには、松山の男性が泊まっていたので、夜はほずみ亭という鯛めしのお店に行き、ご当地のお料理をいただきました。
やっぱり宇和島の鯛めしは美味しいのだ?。

平成２６年４月１２日
午前８時、松山の男性と一緒に出発。
宇和島市街を通過すると、遍路道は緩やかな上りの県道５７をひたすら歩くと、また話しの長いおじさんに会ってしまった、、、もしや、縁があるのかも。

午前１０時１０分４１番札所龍光寺に到着。
団体お遍路さんが二組お参りをしていて、賑やかな境内。
ロウソク渋滞、お線香渋滞、お参り渋滞を一通りこなして納経を終えると、時刻は午前１０時４５分になるところだった。

朝一番。今日は宇和島まで歩くのだ。峠越えがあるので頑張らねば！

空気は冷んやり。清々しい空気が気持ちいい。

柳水大師へ向かう遍路道。結構急な山道で長い上りです。

柳水大師を通過して直ぐのところにベンチがあり、絶景なのでお弁当を食べるポイントに最適です。

馬の背

遍路道標の石碑

逃げ込んだパン屋さんで買ったクリームパン。

松尾トンネルを越える遍路道。登りはキツイが距離が短く、下りが長い。

宇和島の鯛めし！炊き込んだものではなく、鯛のお刺身に特製だしと生卵を混ぜてかけて食べます。とっても美味しくお気に入り。

龍光寺に到着。次々に団体遍路さんが詰めかけて賑やかだった。