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冒険コース

うさぎさんのお遍路道中記

作成日:2014年04月21日 訪問日:2014年04月09日
39番札所 赤亀山延光寺


平成26年4月7日
昨夜は、足摺テルメに宿泊しました。
遍路道を外れ、札所から少し坂道を上がるということで、迎えに来ていただきました。
一緒の宿には、足摺岬をぐるりと回って歩く月山神社コースを目指す、ダンディ水谷さん、松山の男性、そして私の三人です。
他の顔見知りの歩き遍路さんは、打ち戻って三原村を抜けるので、宿は別々です。
足摺テルメは、リゾートホテルと言う事で、お部屋は広くオーシャンビューで綺麗です。
お料理も美味しく綺麗な盛り付け。
海の見える露天風呂で疲れた身体を癒しました。

出発の朝。
今日から三日かけて延光寺を目指すので、気合いを入れ朝ごはんのバイキングをしつかりいただきました。
そう言えば、気合いを入れなくても、いつもしっかりいただいてました、、、。
フロントスタッフのお兄さんが札所まで送ってくださるとのこと。
松山の男性がなかなか来ないので、しばらくお兄さんと談笑です。
お兄さんはサーフィン大好きイケメン君で、背も高く見た目が完璧にサーファー。
関西方面から海が綺麗なこの四国に移り住み、仕事をしながらサーフィンや釣りを楽しんでいると話してくれました。
その話をしている時のイキイキとした姿と、キラキラ瞳を輝かせる笑顔は、素晴らしく素敵な生き方をしているようでした。
何だか、羨ましく、自分の人生はどうだったのか、ちょっと勇気の無かった人生に切なさを感じました。
いかん、いかん、後ろは振り返えらないと決めたのです!
前に進むぞ?と送迎車から降りて、お兄さんに手を振り、元気に歩き出しました。

今回は、海沿いのルートを三日間歩き月山神社経由で延光寺を目指すコースです。
左手に大海原を眺めながら、ひたすら歩きます。
今日から三日間は晴天との予報。
雨の心配が無く、照り付ける太陽は暑いけど、風が冷たくて歩くには絶好の日和です。
景色の良い岬に出ては写真を撮ったり、休憩したり。
調子良く歩いていたと思ったら、正午に近づいた時、右足の太ももに違和感を感じ、次第に太ももの裏が痛くなりました。
時間が経つにつれ、膝の裏、ふくらはぎの裏と痛みが広がり出します。
その痛みは、一本の線になっている事から、どうやら筋を痛めたようです。
歩くペースが落ち、右足を引きずりながら、何とか土佐清水にある黒潮市場に到着。
ここでランチを兼ねて休憩することにしました。
おトイレに行き、ボルタレンの塗り薬を塗って、席に戻ろうとすると、
初めて会った自転車遍路さんが湿布をあげるから貼ったら?と声をかけてくださいました。
実は、私はテープにかぶれやすく、湿布を貼ったまま数時間すると、赤く腫れ上がるため、貼ったまま歩くことが出来ません。
その事を話すと、自転車遍路さんは、ゆっくり気を付けて歩くんだよ、と心配そうな顔で優しく言ってくださいました。
ランチを済ませ、駐車場を横切ろうとすると、今度は車遍路のご夫婦から話し掛けられました。
今から延光寺と観自在寺に行くので、乗って行かないかと、、、思わず、ためらいが生じます。
でも、ここまで自分の足跡をつけてきた四国道。
たくさんの方に応援していただき、歩いてきた遍路道。
ここで途切れさせるわけにはいきませんでした。
丁重にお断りし、少し雑談をしてお別れをしました。

足の痛みを堪えて歩くこと4時間半、やっと今夜の宿に到着。
痛みは更に広がり、お尻から足首までの広範囲が痛くなっていました。
心配するダンディ水谷さんと松山の男性に、大丈夫です!とは言ったものの、ボルタレンの塗り薬も効いていないのが不安でした。
宿の階段を上がるのも辛い、、、。
明日からの行程が心配です。


平成26年4月8日
昨夜よりは足の痛みが引き、楽になっていました。
恐る恐る歩き出すと、やはり痛みが増していきます。
右足をかばうためか、左足や股関節まで痛くなってきました。
痛くなっては止まり、また歩く、繰り返しながら先に進みます。
お天気が良く、海が綺麗なのが和みです。
叶崎黒潮展望台で休憩し、オヤツタイム。
足が痛くても、胃腸は絶好調!!
時刻は午前11時、大浦の東屋に到着したので、宿からのお接待でいただいたおにぎりを食べることにしました。
長閑な漁村のようで、穏やかに時間が流れている町。
漁師さんが賑やかに港で雑談しています。
イカの一夜干し、ウツボの開きなど、漁村ムード満点。

食後、いよいよ海沿いの道から、急な坂に並ぶお墓の中を通過し、月山神社を目指します。
民家を通過し、山道へ。
山道は人があまり通っていない感じで、このコースはマニアックな遍路道のようです。
石がゴロゴロ、倒木、沢の中を渡る遍路道もあり、またいだり、飛んだり、くぐったり、ちょっとした冒険でした。
遍路道には月山小三年生のメッセージ札がたくさんぶら下がっていて、とても可愛い絵が描いてありました。
メッセージを見ると、不思議と元気が出てきて、頑張って歩きます。
足場の悪い山道から舗装された道路に出て坂道を上がると、月山神社が見えてきました。
やっと着いた月山神社は、小さくて古い、、、宮司さんの家が対照的に立派だったのが印象的でした。

時刻は正午、更に舗装された道路を歩くと険しい山道の下りに遍路道は続きます。
岩がゴロゴロ、倒木、ガケ崩れ、こけそうになりながら下り続けると、一気に視界が広がりました。
なんと、海に出たのです!
行き止まりなのかと一瞬びっくりしましたが、でっかい石がゴロゴロした岩場の海岸には、岩に直接赤いスプレーで遍路矢印が!
初めて見ました、こんな遍路道。
このコース、今回晴れているから良かったけれど、雨の日は大変危険な箇所が多々あります。

海に出たと思ったら、またもや遍路道は山の方へ伸びていました。
舗装された道路をひたすら歩きます。
広い畑には、見慣れない葉っぱが栽培されていて、立札を見るとタバコの葉っぱでした。
立札には、許可番号や栽培者が表示されていました。
赤泊の集落を通過していると、みかん農家のご主人が、
「あれあれ、若いお遍路さんだね、これ持って行きなさい。」
キヨミと言う品種のみかんをお接待してくださいました。
足の痛みを堪え、午後3時10分、道の駅大月に到着です。
しかし、道の駅大月は3時で閉まってしまい、中には入れませんでした。
かろうじて、二階のレストランが空いていたので、ケーキセットで休憩。

今夜の宿は、ベルリーフ大月。
遍路道から離れて位置している宿ですが、道の駅まで送迎してくださるということでお願いしました。
部屋は広くてビックリ、お風呂も快適、食事も良くて、スタッフも優しい、そして安い!
繁忙期の半額ほどで特別に宿泊させてくださったそうです。
右足も痛いのですが、疲れもピークになっていたので、早目に就寝しました。


平成26年4月9日
ホテルの送迎で道の駅大月に向かい、午前7時50分、三日目がスタートです。
今日は久しぶりの札所があり、高知県最後の札所です。
国道321を真っ直ぐ歩いていると、田ノ浦で歩道を散歩しているおじいちゃんに会いました。
挨拶して通り過ぎようとすると、
「ご苦労さんじゃね、どこから来たの?」
しばらく話しながら、おじいちゃんのスピードに合わせて歩く事にしました。
おじいちゃんはカニ漁をしていた方で、今は引退し、隠居生活をしているそうです。
暇なので、これから一緒に漁船で釣りに行こうとおっしゃる。
今日は延光寺を打って宿毛の宿に行くと話すが、一向に諦める気配がありません。
同行していた二人はどんどん前方に離れて行きます。
「そんなに急がないでいい、ばあさんが1時に昼メシ作るけん、食べて行けばいい。」
もう一度、延光寺を打って宿毛に泊まると説明しますが、おじいちゃんは「釣りは時間を忘れるけん、暇な時はちょうどいい。もうすぐワシの家に着くから、船見せたる。」
そんな会話を5回は繰り返しただろうか、もう前行く二人の姿がありません。
おじいちゃんに今日は急ぐので、ごめんなさいと謝り、やっと手を振ってお別れすることが出来ました。

今夜の宿である、ホテルアバン宿毛まで真っしぐらに歩き、フロントにザックを預けました。
フロントの方は嫌な顔一つせず、とても親切にしてくださいました。
身軽になり、延光寺を打ち戻る作戦です。
間も無くお昼になるところだったので、ホテル前にあるかつ家さんでランチをしてから国道56をひたすら歩きました。
右足は相変わらずの痛みで、ボルタレンを塗りながら騙し騙し歩きます。

午後2時20分、39番札所延光寺に到着。
ホッと一息つく間もなく、足を引きずりながら打ち戻り、宿に向かいました。
右足の痛みが限界だったので、宿毛の街にある病院へ。
案の定、右足の筋が炎症しており、背中からふくらはぎまでテーピングでしっかり固定されてしまいました。
数日間は動かさない方が治りが早いようです。
年末に手術入院をし寝たきり生活だったこと、退院してからも運動や重い物を持つことを禁じられていた生活だったこと、これらの期間に筋肉が退化してしまっていたようで、急に毎日重い荷物を持って歩くという運動生活で身体が悲鳴を上げている、と言うことでした。
お医者さんに、身体が出来上がってないのに、急に運動すると筋や関節を痛めます!と注意され、肩を落として宿に戻り、大人しく休むことにしました。
ベットに入り、天井のライトを眺めながら、明日からの日程を考えます。
どうしよう、、、。




 
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朝日がキレイ。早速朝風呂へダッシュ!

朝日がキレイ。早速朝風呂へダッシュ!


朝ごはんはしっかり食べます。お昼ごはんも、夜ごはんも、しっかり食べますけどね。

朝ごはんはしっかり食べます。お昼ごはんも、夜ごはんも、しっかり食べますけどね。


朝、金剛福寺に送ってもらった時に見つけました。灯篭の風化した穴の中に、一円玉がぐりぐり入れられていました。何か入れると御利益があるのかな?

朝、金剛福寺に送ってもらった時に見つけました。灯篭の風化した穴の中に、一円玉がぐりぐり入れられていました。何か入れると御利益があるのかな?


えっ、旦那さんの墓!!?

えっ、旦那さんの墓!!?


鵜ノ岬展望台より。海は透き通り、凄い絶景でした。下を覗くとお尻がムズムズします。財布を落としたら、絶対取りに行けないと思うと、投げ入れたい衝動にかられます。押すなと言うと、押したくなる性格なのです。

鵜ノ岬展望台より。海は透き通り、凄い絶景でした。下を覗くとお尻がムズムズします。財布を落としたら、絶対取りに行けないと思うと、投げ入れたい衝動にかられます。押すなと言うと、押したくなる性格なのです。


急な長い階段を必死に上がると、、、この坂の名前なのか「ドウショウ坂」。たぶん、上がり切った時の顔は、このカエルの人形と同じ顔になること間違いなし!

急な長い階段を必死に上がると、、、この坂の名前なのか「ドウショウ坂」。たぶん、上がり切った時の顔は、このカエルの人形と同じ顔になること間違いなし!


お遍路さんがあまり通らないのか、遍路立札がかすれて見えないものが多かった。

お遍路さんがあまり通らないのか、遍路立札がかすれて見えないものが多かった。


晴天の足摺サニーロード

晴天の足摺サニーロード


化石漣痕。レンコンと聞くと、蓮根しか思い浮かばない。

化石漣痕。レンコンと聞くと、蓮根しか思い浮かばない。


高知と言えばカツオ!高知に入ってからほとんど毎日カツオのタタキを食べています。

高知と言えばカツオ!高知に入ってからほとんど毎日カツオのタタキを食べています。


イカのカーテン

イカのカーテン


ウツボのカーテン

ウツボのカーテン


月山小の遍路札。気合いが入り背筋がシャンとなりました。

月山小の遍路札。気合いが入り背筋がシャンとなりました。


月山小生徒さんが書いてくれた遍路札が、たくさん、たくさん、ありました。これを見て元気の出ないお遍路さんはいません!オバちゃん頑張るぞ?(((o(*゚▽゚*)o)))

月山小生徒さんが書いてくれた遍路札が、たくさん、たくさん、ありました。これを見て元気の出ないお遍路さんはいません!オバちゃん頑張るぞ?(((o(*゚▽゚*)o)))


倒木、道無き道道を行く!

倒木、道無き道道を行く!


やっと辿り着いた月山神社

やっと辿り着いた月山神社


海に突き当たったので、行き止まりかと思いきや、遍路道だった。雨の日や、台風の時はちょっと通行不可能かな、、、

海に突き当たったので、行き止まりかと思いきや、遍路道だった。雨の日や、台風の時はちょっと通行不可能かな、、、


延光寺近くの遍路道にて。ペットボトルで作った風車が可愛い。

延光寺近くの遍路道にて。ペットボトルで作った風車が可愛い。


延光寺にて。魚の尾ビレを回すと、あごからお水が出る。

延光寺にて。魚の尾ビレを回すと、あごからお水が出る。


3日かけて辿り着いた、延光寺の亀。

3日かけて辿り着いた、延光寺の亀。

あきゆみ 2014年04月21日 コメントNO:933

うさぎさん、毎度のお疲れ様ですm(__)m

高知歩き遍路…37番岩本寺→38番金剛福寺→39番延光寺…遍路回しですね(((^^;)

昨年の車高速道遍路巡礼で…延光寺から徳島自宅迄…ナビが高速道路使用でも、280㎞↑(*_*)

車遍路巡礼中、本来の歩き遍路巡礼の方々には、頭が下がりますm(__)m

気を付けてp(^-^)q

ocn.ne.jp

うさぎ 2014年04月22日 コメントNO:939

あきゆみさん
遍路回し!本当にそうですよねー!
ぐるりと回って、距離の割には札所が無くて、ただただ歩きつづけた二週間でした。
最近、距離感が無くなって来て、100キロ単位の標識を見ても歩いて行けると、思ってしまう自分が怖いです(ーー;)

明日は長い距離、明後日は登山が待っています。
頑張ります!

au-net.ne.jp

玄田 2014年04月28日 コメントNO:993

お疲れ様です。
海岸沿いの遍路道は、大変なのが良く分かりました、そして、遍路道も、歩く人それぞれの思いに合せて、選んで歩いてる事にも気づかされた、道でした。
何と、これほど脚が痛かったとは、想像も付きませんでした。

旦那様と良い思い出が出来たようですね、良かった(´∀`)
結願が見えて来ましたが、気を抜かず歩いてくんなんしょo(`д´ 。)ガンバレー!!

softbank126016124115.bbtec.net

うさぎ 2014年04月29日 コメントNO:996

玄田さん
遍路道はいろんなルートがあります。
遍路地図に書かれた赤の線の推奨ルート、赤の線で書かれていないルート。
天候やその日の気分で変えてみたり、、、おっしゃる通り人それぞれ。
私は二回目の遍路ですが、前回歩いた道も、季節や時間、一緒に歩く人が違えば、全く違う道になるように思いました。
四国の道、札所から札所を結べばそれが自分の遍路道になると思います。
脇道にそれるとパン屋さんがあったり、カフェに行くために違う道を選んだり( ̄▽ ̄)

足は痛かったです。
でも、歩くのをやめるという事は考えず、どうやって前に進むかだけを、考えていました。
これは出会ったお遍路さん、皆さん同じでした。

今日の朝、夫は帰って行きましたが、私はなんと、ダウンです(o_0)
明け方から酷い頭痛と熱で目覚め、朝ごはんも食べれず、嘔吐しています。
身動き出来ず連泊となりました。
一日寝て、様子をみます。

au-net.ne.jp

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