作成日:2014年04月19日 訪問日:2014年04月06日
38番札所 蹉陀山金剛福寺
金剛福寺
平成26年4月4日
今日は待ちに待った『おつとめ』初体験の日です。
遍路に出たら、一度は経験すると良いと、大阪の伊吹さんに言われていました。
前回の旅でも、おつとめを経験したくて二つの宿坊に泊まりましたが、人数が少ないなどの理由で、体験することが出来ませんでした。
午前6時に本堂集合!
白衣と輪袈裟をつけて、いそいそと本堂へ。
ドイツっ子も参加していました。
お経を印刷した紙をいただき、副住職の挨拶、続けて読経が始まり、一緒に唱えます。
本場の抑揚に慣れないせいか、グダグダのお経になりましたが、声を出してしっかり唱えました。
程なくして、お焼香が始まりました。
一番端にいた男性から手際良くお焼香をしていきます。
アレキサンダーの番がきました。
彼は固まってしまい、動く気配がありません。
私の順番にはまだ早かったけど、固まったアレキサンダーの手を引っ張り、一つ一つの動きを真似するよう言って、横に並んでゆっくりした動作でお焼香をしました。
彼は、一つ真似しては私を見て、また一つ真似して。
とても上手にお焼香が出来て、緊張していた彼にやっと笑顔が出ました。
フィリップはそれを真似して一人でちゃんとお焼香していました。
読経が終わり、副住職からありがたいお話がありました。
岩本寺の歴史や、本堂天井の絵、遍路の歴史や女性もお参りが出来るようになった事など、分かりやすく説明してくださいました。
一時間ほどの『おつとめ』が終わり、副住職が私の名前を呼びます。
この後、特別にお話しをしてくださるとのこと。
足を片方垂らした珍しい地蔵尊の祀られているお部屋に通されました。
部屋には、珈琲とお菓子が準備されていて、いろいろお話をしていただきました。
いつも私を助けてくださる先達の白井さんと副住職はお知り合いで、私が宿坊に泊まると聞いて、特別にお話をしてくださったようです。
副住職は、お若く、物腰穏やかで優しい方でした。
大変お忙しい中、本当に申し訳なくも、貴重なお話を聞かせていただきました。
玄関で記念写真を一緒に撮り、いよいよ三日かけて足摺岬に向けて出発です。
シトシト雨が降っている中、午前7時半、ポンチョを着て歩き出します。
長い上りの国道、通り過ぎる車が跳ね上げる水しぶきをかぶりながらひたすら歩きました。
唯一の楽しみは、朝ごはんの帽子パンを10キロ先の佐賀温泉の東屋で食べること!
帽子パンは高知県の有名なパンで、初めて食べるのです。
目指せ東屋!!急げ東屋!!ガシガシ歩きます。
風も強く、ポンチョの意味が無いくらい厳しい天気になりました。
金剛杖をリズム良く地面につきながら、「帽子パン!帽子パン!」と元気が出る呪文を唱えます。
ちなみに、ダンディ水谷さんが夕方になると足取りが重くなる時は、二人で金剛杖をマーチングのように斜めに持ち上下させながら「黒霧島!黒霧島!」芋焼酎の名前を唱え、最後の数キロを乗り切ります。
宿坊を出て二時間後、やっと東屋に到着。
珈琲を買いダンディ水谷さんと帽子パンなどの三種類のパンを半分こして食べました。
雨に濡れて冷えた身体は、休憩していても震えが止まりませんでした。
じっとしていると寒いので、また直ぐに歩き出します。
この辺りから、岩本寺周辺に宿泊していた歩き遍路さんに何人も会いました。
雨の日は、ずぶ濡れになるので休憩もなかなか出来ません。
とにかく歩き続けました。
正午を過ぎた頃小雨になり、いつしか晴れ間が出始めます。
お腹も空いて来たので、土佐白浜にあった喫茶店で焼きうどんを食べました。
今夜の宿は岩本寺から35キロポストにある、ネストウエストガーデン土佐。
雨の日の30キロ越えは、かなり厳しく感じます。
しかし、晴れ間が見えると土佐湾がキラキラ綺麗に輝き始めました。
景色を眺め、時折写真を撮りながら足を止めずに進んで行くと、大方の東屋あたりからハッピを着た若い男性二人が近寄ってきました。
声を掛けられ、突然名刺を渡されました。
「はたしんです。」
信用金庫の営業マンが勧誘に来たのかと思ったら、なんと新人研修の総仕上げに遍路お接待をしているとおっしゃるではないですか!
ビックリ、なんと言う素晴らしい研修ではありませんか。
朝から東屋で待ち構えていたようですが、私達が最初の獲物、、、ではなく遍路のようでした。
もう誰も来ないまま研修が終わってしまうんじゃないかと、心配していたのです。
新人くん二人はどちらもビックリするようなイケメンで、信用金庫と言うより、ジャニーズの新人のような、、、。
上司の方も二人いらっしゃいましたが、とても親切で人の良さそうな方々で、人柄の良さが滲み出ていました。
東屋に座り、温かいお茶と銘菓をお接待していただきますが、目の前に四人立ってニコニコ顔で並ばれたので、その前ではなかなか食べ辛いものです。
はたしんさんは、あちこちに東屋を作り、日頃からお遍路さんを応援してくださっている頼もしい地元の信金さん。
最後は記念写真を撮り、見送られながら宿に向け再び出発。
海沿いの防風林の松林を歩きますが、もう疲れきった足は全然前に進みません。
倒れそうになりながら、午後4時20分やっとネストウエストガーデン土佐に到着しました。
部屋は広くて綺麗、大浴場もありホッとひと息。
売店にはケーキ屋さんもあり、食前ケーキを食べながら夕飯を待ちます。
夕飯は、なんと久々の洋食でした。オマール海老にポークソテーなどなど。こりゃー、たまりませんなぁ?。
ダンディ水谷さんが白ワインをお接待してくださったので、ゆっくりディナーを楽しみました。
平成26年4月5日
朝はサンドイッチモーニング。
快適に過ごしたネストウエストガーデンを後にし、午前8時ゆっくり目に出発です。
今日は下田の渡し船を使うコースです。
前回は悪天候のため欠航だったので、四万十大橋を渡りました。
県道42を進んで行くと、渡し船に電話してくださいと言う看板が出てきます。
その看板の前には、あの焼山寺越えで安否が心配だった男性が、、、。
看板を見て何かメモをしているので、どうしたのか聞くと、電話するかどうか迷っているとおっしゃる。
船には乗りたいが、どうやら電話することが苦手なようだ。
直ぐに携帯を取り出し看板の電話番号にかけて、渡し船を要請。
すると、男性は「よかった、ついていきます。」とボソッと独り言を言い、ピッタリくっ付いてきます。
ダンディ水谷さんが、この男性にジャックとあだ名を付け、これ以降、私達の間ではジャックで会話がなされました。
渡し場に向けててくてく歩いていきますが、一人一人ペースが違うため、それぞれ自分のペースで歩き、休憩も自分のペースでしています。付かず離れずと言った感じでしょうか。
しかし、ジャックは私が止まると、真後ろに止まり、歩くと付いてきます。
しかも、公衆トイレがあったので、遍路道を逸れて女子トイレに入ろうとすると、それさえも付いてこようと、、、
「あの?、おトイレに行くだけですから。」と慌てて言うと、分が悪そうに遍路道に戻って行きました。
おトイレを済ませ再び歩き始めると、なんとジャックが待っている。
そんなこんなで、船着場まで背後にジャックの気配を感じながら歩きました。
ダンディ水谷さんは、私にジャックが懐いていると喜んでいました。
渡し船は漁船で、一回500円。
値札の付いた真新しいライフジャケットを着て、出港です。
10分ほどで対岸に到着しました。
前回同様、田子作のうどんでランチを済ませ、午後3時40分、今夜の宿である久百々に到着。
平成26年4月6日
霧雨のような雨が降り、ポンチョを着ての出発となりました。
天気雨で虹が出て、とても綺麗でした。
この日、足摺に向かう海沿いの道で、奇跡の再会がありました。
なんと!前回遍路で二度宿が一緒だった東京の男性と、今回焼山寺を一緒に越え、神峰寺でもご友人の車で来ていた東京の女性に再会したのです!
ばったり会うなんて、何と言う奇跡でしょうか。
彼女達は打ち戻るため久百々方向に歩いて来たのです。
ばったり会った奇跡、そして私が別の時期に知り合った男性と女性が二人一緒に歩いていたことの奇跡。
もうこうなったら、お大師様のお力としか思えない奇跡の重なりでした。
時刻は正午、久百々の宿を一緒に出た四人でお昼ごはんを食べることになり、場所を探します。
大阪の男性が、今夜の宿であるペンションサライさんのデッキを宿の方に頼んでくださり、お借りすることが出来ました。
このデッキ、海が見える絶景ポイントなのです。
しかも、ペンションの女将さんがお茶を差し入れしてくださるという、手厚いお接待ぶりなのです。
皆で楽しくランチタイムです。
午後1時20分、長い道のりだった38番札所金剛福寺にとうとう到着しました。
ほんと、長かった、、、。
宿に入るにはまだ時間が早かったので、しばらく足摺岬観光を楽しみました。
歩き疲れると喫茶店に入り、皆は珈琲、私はトーストセットで休憩。
その後、足摺テルメからの迎えで宿へ向かいました。
窪川のパン屋さんで買った帽子パンなどなど。懐かしい昔ながらの味がして、美味しかった。
熊井トンネル。薄暗くておどろおどろしい。
雨が上がると海が綺麗でした。
松山まで200キロ!あとひと息だなぁ。と思ってしまうのは、歩き遍路をしていると距離感がおかしくなったから。
はたしんさんのお接待。集合写真があるけれど、公開していいのか分からないので、、、。イケメン、皆さんに見ていただきたかった。目の保養になり、オバちゃんの私には別の意味でのお接待でした。
ネストウエストガーデン土佐に向かう海沿いの防風林。
久しぶりの洋食。オマール海老とポークソテー、他にもサラダやスープ、バゲットなどが付いています。
ネストの朝はサンドイッチ!
下田の渡し船のシール。このシールを見ながら行ったら、迷子になった。後ろから来たお遍路さんも同様に迷ったと言っていた。
これが下田の渡し船です。
天気雨。虹がキレイに見えたました。
ペンションサライさんのデッキ。絶景を見ながらランチです!温かいお茶をありがとうございました!大阪の男性が宿泊したら、お料理もすごく美味しくて、大満足だったと!次回は私も泊まってみたいお宿です。
足摺岬にやって来ました!長い道のり、金剛福寺です。
山門に貼ってありました。
お尻がキュートです。
うさぎさん
今回も素敵な道中記でしたよ(^◇^)ウン!良かった!!
それにしてもスッゴ~く大きなバッグを背負っていたんですね (@_@;)
うさぎさんがカメさんを背負っているみたい! m(__)mスミマセン
明日20日は旧暦の『御祥当』に当たりますから各札所も賑わうかと!?
ですから僕も明日は知多四国遍路です ~ 車ですがネ(´ω`)
katch.ne.jp
うさぎさん、安産祈願ありがとうございますm(__)m
出合い…別れ…再会…三帰
生まれ…死に…救い…我にあり汝にあり…心読生
おん さんまや さとばん
p(^-^)q
追伸
ハンネ…「うさぎさん」…サイトアップの写真…覚えました♪(^^)/
私達、車巡礼…監視!?しながら、打ちます(^з^)-☆
ocn.ne.jp
うさぎさん、こんにちわ~。
少しずつ書き込まれていて楽しみにしています。
間違いない!私が見たのはうさぎさんでした(^_-)-☆
修行の道場高知も終盤の頃のお話ですね?
アイスクリン、いもけんぴ、ボウシパン、足摺テルメ…泰作さん。
聞いたことのあるものばかりです。
一つ一つの出会いがうさぎさんにとって大きな力になり糧にもなる!
そんなうさぎさんの行程が素敵だなって思います。
今日も頑張れ~( ^^) _U~~
ocn.ne.jp
ちひろさん
今回もかなり濃厚な出会いが続いています。
外国の方は、皆さんものすごく大きなザックを担いでいます。
しかもヘビー級の重さ、、、。
野宿をしない方も大きなザックなので、中身が気になりますよね?(笑)
私のザックもなかなかの重さだと思いますが、外国の方に比べれば、吹けば飛ぶようなザックです(・・;)
20日は、ちひろさんがおっしゃるように、たくさんの団体遍路さんのバスが行き交っていました!
御祥当というんですね、勉強になりますm(_ _)m無知より怖い物は無いと言われる私です、お恥ずかしい?。
知多四国、どうでしたか?
懐かしいなぁ?。
私も四国遍路が終わったら、残っている篠島と日間賀島にいってきます!
au-net.ne.jp
あきゆみさん
今日は香園寺で安産祈願しました。
どのお寺がいいのか、勉強不足でわからないのですが、心からお祈りしていまーす!
遍路旅、本当に出会いと別れの繰り返しですね。
今日は素敵な再会もありました。
おんさまやさとばん
一期一会
なんだか、考えさせられます。
深い事を考えるほど頭は良く無いので、自然や風景、出会う人、五感で感じて毎日を一生懸命歩いて過ごしています。
あきゆみさんの監視網に引っかかるといいなぁ?(笑)
いつか、どこかで、きっと!ですね。
明日からも頑張ります!*\\(^o^)/*
au-net.ne.jp
河童さん
本当に、見つけてくださりありがとうございます!!
次に出会えるまで、渡せなかった納札を御守り代わりに持って歩きますね!
なんだか、日記は食べ物の話ばかりになってしまいます(^◇^;)
周りからは、札所の数よりも、パン屋さんやカフェを打つ数の方が多いと言われてる私です。
人との出会いって、大切ですよね。
普通に生活していたら、出会わない人達と、こうして四国遍路で出会い、時には一緒に旅をして、、、不思議な世界に来ているようです。
出会う事で、辛く嫌な事もありますが、教えられる事、考えさせられる事が多く、私の修行なのだと思います。
河童さんのおっしゃるように、私の糧になり、力になっています!
明日も頑張るぞぉ?o(^_-)O
au-net.ne.jp
うさぎさん、お疲れ様ですm(__)m
香園寺…安産祈願のお寺です!昨年順打ち中、他に「安産お影」いただき、2番目の♂孫誕生前に渡せました(^^)/
はい!道中、うさぎさんとお大師様に、出会える事を楽しみに巡礼します(*^o^)/\(^-^*)
気を付けてp(^-^)qです!
ocn.ne.jp
あきゆみさん
よかった?!
香園寺さん、安産祈願で良かったのですね。ホッとしました(笑)
安産お影があるんですね、知らなかったです(°_°)
あきゆみさんも、気を付けて巡礼してくださいね!(^○^)
au-net.ne.jp
お疲れ様で。
岩本寺の副住職さんから、お話が聞けたのは良かったですね。
山の中の国道56号線海岸沿いの国道は私の住んでる所に、とても雰囲気がにてて、お遍路は、普通の道なんだて実感してました。
ネストの食事豪華で美味しそう。
田子作、空から発見、小さなお店なのですね、私も、うどん食べたいなー。
旦那さんが来てくれるんですね、良かったですね、
沢山旦那さんに、沢山感謝して下さいね、
家で待ってる側も不安と心配でどれだけ苦行をなさっていたか、想像が付きます。
二人で楽しく歩いて下さいね。
頑張れ旦那さん(っ`・ω・´)っフレーッ!フレーッ!
softbank126016124115.bbtec.net
玄田さん
いつも地図で追ってくださり、ありがとうございます!
遍路道、山の中もありますが、意外に車道や住宅街が多いのです。
宿の洋食はめったに無いので、テンション上がりますよ?!
たまにお昼ごはんの時間が近づくと、金剛杖をリズム良くつきながら
「オムライス!オムライス!」などと口ずさむこともあります。
夫にまで応援のエールをありがとうございます(笑)
待っている方が、何も出来なくてきっと心配なのだと、私も思います。
こうやって、通し打ち出来るのも夫の理解と協力があってのこと。本当に感謝しています。
今日から夫が合流します。数日間ですが、お遍路体験です!
どんな反応するか、楽しみです?(笑)
au-net.ne.jp
道中記へのコメントは、ログインが必要です。