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迷子の迷子のうさぎ

うさぎさんのお遍路道中記

作成日:2014年04月09日 訪問日:2014年03月31日
32番札所 八葉山禅師峰寺



竹林寺から出た直ぐの石畳みを下ります。
落ち葉や前日の雨で階段は所々が水浸し。
水戸黄門の主題歌を歌いながら、滑らないよう足元に注意し下って行くと、なんと護国神社が!
川沿いの道に出るハズが、見知らぬ風景の場所に出てしまいました。
なんと、本日二回目の迷子です。
方向音痴炸裂。
地図を広げてウロウロしていると、建築関係のお仕事をしていたお兄さん二人が、
「お遍路さーん、どこ行くの?」
と声をかけてくださいました。
「竹林寺から禅師峰寺に行きたいのですが、あってますか?」
お二人が同時に、左右に首を振ります。
私が明後日の方向に向けて、地図らしきものをぐるぐる回しながら歩いて行くのを不審に思い、呼び止めてくださったとのこと。
遍路地図を見せると、
「なんか難しい地図だね」
とおっしゃる。
やはり、地元の方でも見慣れない遍路地図は見づらいようです。
禅師峰寺までの行き方を丁寧に教えてくださいました。
思っていた位置とは、全く違う場所に居たのには驚きました。
お礼を言い、教えていただいた方向にしばらく歩き振り返ります。
お二人がまだ見ているので、教えていただいた方を指差すと、お二人がウンウンとうなづいています。
また少し進み、曲がり角で指差すと、またウンウンとうなづいています。
最後まで見送ってくれたお二人に深く頭を下げてから角を曲がり、しばらく歩いて遍路シールを発見、ホッと一息。
遍路シールさえあればこっちのもの!
地図をカバンにしまい、気合いを入れ直し川沿いの道から長く緩やかな上りの県道を歩きます。

時刻は正午を過ぎており、歩き始めてから7時間が経っていました。
だんだん足取りが重くなってくる頃です。
自販機を見つけて、水分補給。
しかし、木陰や座るところも無く、ゆっくり休憩することが出来ません。
路線バスが通るたび、
乗りたいなぁ?
と思ってしまうダメな私。
いかん、いかん、歩く修行だ!と思い直し歩くも、車が通ると、
乗りたいなぁ?
と直ぐにくじけそうになる。
背中を丸めダラダラ歩き、トンネルを抜けると石山池の東屋が見えたので座って休憩することにしました。
ザックから残しておいたへんろ饅頭を取り出し、ランチタイムです。
池を眺めながら食べるへんろ饅頭もなかなかの味わい。
お饅頭を頬張りながら、今日の宿である雪渓寺前の高知屋さんまでの残りの行程を地図で確認すると、まだまだ先は長い、、、。
ザックで固まった背筋が痛くなってきていたので、背伸びをして、しぶしぶザックを担いだ時、道の反対側に居た歩き遍路さんに声をかけられました。
松山から来た男性で、とっても優しそうなおじさまです。
何か縁を感じて、挨拶を交わすと、今から同じ禅師峰寺を打つとおっしゃる。
すかさず、
「歩き疲れてくじけそうです。一緒に歩いてもよろしいですか?」
すると、案の定、優しい答えが
「あー、いいですよ。こちらこそご一緒にお願いします。」
意気投合し歩き始めるが、これがなかなかの健脚さん。
おしゃべりしなが、スタスタ歩いて行くのです。
話を聞こうと一生懸命付いて行く私の足は小走り状態です。

禅師峰寺に近づくと、道はいよいよ上りの山道へ。
前回の時は、土がむき出しの滑りそうな上り坂が、白いコンクリートで舗装されていました。
松山のおじさまは平地を歩くかのように、おしゃべりしながらスタスタ上って行くのです。
私は、いつものごとく、金剛杖に体重をかけながら、えっちらほっちら。
差はどんどん開くばかり。
おじさまが何を話しているのか、まったく聞こえなくなりました。
物凄い健脚さんに一緒に歩いてだなんて言ってしまったことを後悔しなが、えっちらほっちら、後を追います。
おじさまは、私の足取りを時々振り返っては確認しながら進んでくれました。

時刻は午後1時10分、32番札所禅師峰寺に到着。
境内には二組の年配の車遍路さんがお参りをしていました。
本堂に向かう階段をふらふら上がっていると、すれ違いざまに
「まぁ、歩きなの?大変ねぇ!頑張ってよ!」
と、参拝から帰るご夫婦にご声援をいただきました。
慌てて
「はい!頑張ります!」
と答え、ふらふらしていた姿勢を正し、両手両足を大きく動かしながら元気良く階段を上りきりましたが、頂上でまたぐったり。
ぜーぜー言いながら、本堂、大師堂でお参りを済ませます。
高い位置にあるこの禅師峰寺、振り返ると遠く海が見える絶景でした。
海からの風が涼しく、上りで出た汗が冷んやりとし、思わず深呼吸しました。
爽やかだぁ?と喜んでいる場合では無かった、、、恐怖の納経です。
恐る恐る納経所の扉を開けて、挨拶をして納経をお願いすると、とても感じ良く納経してくださり、ホッと一安心。
納経所の方が怖いと、気持ちも足取りもガタガタになる私です。
ニコニコ顔で松山のおじさまの所に戻り、一緒に次の札所へ向かいました。



 
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竹林寺から出て直ぐの遍路道。古いガタガタの下りの石畳みは滑りそうで怖い。

竹林寺から出て直ぐの遍路道。古いガタガタの下りの石畳みは滑りそうで怖い。


先日の嵐で桜が散ってしまいました。

先日の嵐で桜が散ってしまいました。


トンネルを抜けて右にしばらく歩くと東屋があり、休憩できます。ここまで来れば後ひと息!

トンネルを抜けて右にしばらく歩くと東屋があり、休憩できます。ここまで来れば後ひと息!


禅師峰寺に向かう最後の坂道。コンクリートの新しい舗装は途中までで、この先にはガタガタの山道が続いていました。

禅師峰寺に向かう最後の坂道。コンクリートの新しい舗装は途中までで、この先にはガタガタの山道が続いていました。


山道を上り切ると、山門が現れます。

山道を上り切ると、山門が現れます。

玄田 2014年04月12日 コメントNO:870

お疲れ様です。
だいぶ西に遠回りしましたね、さすがお遍路完全装備のうさぎさん、地元の方から、声を掛けられ、教えて貰うとは・・・
私がそこに居たかの様に、ほのぼのとした光景がうかびました(´∀`*)
何と、疲れてるのに、健脚さん捕まえて、元気が出るとは・・・
この辺からも、分かる様な気がしました、うさぎさんが、なぜ風邪ひいてるのに、連泊せづに歩き出したか。

昨日は、忙しそうだったので、コメント遠慮しました、連日の峠超でお疲れだべ^^
そして、にぎやかで、楽しそうで何よりです。
河童さんに、会えると良いですね。
明日も、笑顔で( ゚ー゚)ノ)\"ガンバレ

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うさぎ 2014年04月13日 コメントNO:872

玄田さん
いつもコメントありがとうございます。
長いようで、気が付けばあっという間にこんな所まで来ちゃった。という感じです。
連日の峠越えでふくらはぎはパンパンで、毎日湿布の嵐です。
今日は一日中雨と言うことで、前回雨での風邪を思い出し、今日はみなさんのご忠告を肝に命じて、距離を短くし、午前中だけ歩き、午後からはお風呂屋さんでのんびり、極め付けは牛乳まで堪能してしまいました。
会いたかった河童さんには、出会えなかったんです。
もう河童さんのテリトリーから離れてしまったのかも知れません。
でも、また何処かのお寺でバッタリ出会えることを楽しみに、明日からも歩き続けますね。
松山の健脚おじさん、かなり早いです(; ̄O ̄)はぇ?

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プロフィール

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  • ニックネーム:うさぎ
  • 性別:女性
  • 年代:50代
  • お住まい:愛知県
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