思わぬ再会と総理大臣候補

うさぎさんのお遍路道中記

作成日：2014年04月05日 訪問日：2014年03月29日
27番札所 竹林山神峰寺

蔵空間で迎えた朝。
深夜、喉の痛みと熱で、寝汗が酷く頭痛も出始めて、朝から体調がイマイチ。
どうも、風邪をひいてしまったらしい。
歩いて汗をかき、休憩して冷える。この繰り返しのためだと思います。
しかし、食欲は衰えることを知らず、朝食のサンドイッチは完食。
蔵空間のご夫婦とのお喋りが楽しく、気付くと時刻はもう８時過ぎでした。
奥様に見送られ、ご主人に昨日歩いた御霊跡まで車で送っていただきました。
車中、ご主人は車のお接待など、道中十分気をつけるよう心配してくださいました。

雨がパラつく天気の中、ご主人の車を見送り、ポンチョを着て歩き出します。
雨は降ったりやんだり、ポンチョの中は蒸し暑く、益々体調が悪くなる予感が。

今日は前回の旅でお世話になった、田野の善根宿美園さんにまたお願いしました。
美園ママに、元気な姿を見せたかったのが一番の目的でした。
田野町は奈半利の隣町なので、１０時前には善根宿付近に到着。
美園ママに電話し、先にザックを善根宿に置かせていただき、身軽になり神峰寺へ向かいます。

国道から一本内側の住宅街を通り、安田川を渡ろうとすると、工事中のため国道に迂回して、再び遍路道へ。
午前１０時５０分、神峰寺へ続く急な車道を登り始めます。
すでにポンチョの中は蒸し暑く、汗で全身ずぶ濡れ。
とりあえず、休まず登りました。
えっちら、ほっちら。
後ろから車遍路さんがブンブン追い抜いて走り去って行きます。
う?ん、負けるもんかぁー！
気合いとは裏腹に、なかなか前に進まず、えっちら、ほっちら。
途中出会った農家のおばあちゃんに挨拶をしたら、
「お遍路さん、一つ目の遍路道は暗ろうて危ないけん、二つ目からあがるんよ」
と言ってくださったので、これはお大師様のお告げと思い、一つ目の山道をパスし、車道を通って二つ目からアタック開始。
相変わらずの急な狭い山道。
山道を上がっては車道に出て、また山道へ。
いつしかまた雨が降り始め、ポンチョが邪魔で無駄に体力を消耗しながら、１１時３０分景色の良い東屋に到着しました。

東屋の周りの満開の桜があまりにも綺麗なので、オヤツタイムをすることに。
なかなか先に進まない私です。
２０分ほど休憩し、勢いよく一気に登り正午に２７番札所神峰寺に到着しました。
長い階段を登り本堂に向かうと、ちょうど団体遍路さんがお参りを始めたところでした。
団体遍路さんが居ると順番待ちをするのが大変ですが、皆さんとても優しく、必ず挨拶を返してくださいます。
時には、親しく話しかけてくださる方も多く、これまでにたくさんの応援の言葉をいただき、幾度となく励まされました。
案の定、お参り待ちをしていると、おばあちゃん数人から、
「まぁ、歩きなの？頑張ってね。」
「偉いわねぇ、偉いわねぇ。」
と肩をなでなでされました。
ちょっと照れながらお礼を言い、本堂、大師堂でお参りを済ませ、納経をしていただく頃には雨が更に強くなっていました。

神峰寺を打ち終え、駐車場にあるドライブイン２７で、お杖の持ち手袋を購入し、うどんで身体を温めました。
満腹になり再びポンチョを着てもと来た坂道を下り始めてしばらくすると、一台の車が横に止まります。
なんと、焼山寺を一緒に歩いた東京の女性が偶然ご友人の車でお参りに来ていたのです。
まさかの再会にビックリしました。
こんな偶然があるのでしょうか！
彼女はしばらくご友人の車で札所を回り、また歩き遍路に戻るとのこと。
「雨なのに大丈夫？私に出来ることはある？」
彼女は私に優しく言います。
焼山寺を越える、短い時間を過ごしただけでしたが、彼女とはずっと前から知り合いだったような錯覚が。
「ありがとう、大丈夫！元気に歩いています。」そう言うと、彼女は笑顔で、偉いわねって褒めてくれました。
別れ際、身体に良いからと、しょうがの砂糖漬けを渡してくださり、笑顔で手を振りまた何処かで会うことを願い、お別れをしました。

雨は強くなるけれど、元気をいただき、颯爽と歩き出します。
すると、軽トラに乗ったおじさんに「頑張ってるね」と声をかけられました。
お礼を言い坂道をくだると、農家の納屋の前に、先ほどの軽トラのおじさんが座っていました。
「おっ、早いね。ここに座って休んでいきなさい。ここに菅さんが座って休憩したがよ。
じゃが、あんたの方が菅さんより足が早いわ。」
そう言ってとても素敵な笑顔で語りかけてくださいました。
しばらく休憩し、おじさんにお礼を言い歩き出すと、おじさんが手を振りながら、
「あんたは菅さんより早いけん、総理大臣になれよ?！」
と大きな声で見送ってくれました。
「ありがとー！その時は、清き一票をお願いしますねー！」
おじさんが大爆笑している声が聞こえました。
遍路に関係のない会話でお互いに爆笑しながらドンドン坂道を下ります。

雨はザーザー降りとなり、服は汗だく、ポンチョからは雨が染みて寒い道のりでしたが、翌日の行程を考えて、安芸まで歩き続け、電車で善根宿のある田野駅まで戻り、震えながら宿に入りました。
これが後あと響くことになりす。

いよいよ神峰寺への長い登りに突入！

神峰寺まであと少しのところにあり東屋。桜が満開で、景色が素晴らしい。

東屋で食べたオヤツ。ずっしり重いチーズケーキ、お接待でいただいたバナナ、缶コーヒー。ヘビーなオヤツです！

札所駐車場にあるドライブイン２７のうどんは野菜が沢山入って美味しい。お店のおじさんはすごく優しかった。

焼山寺を一緒に登った彼女と奇跡の再会！別れ際にいただいた生姜の砂糖漬けを食べると不思議と元気が出た。また会いたいなぁ、、、。