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重ね重ねの無礼

うさぎさんのお遍路道中記

作成日:2012年04月30日 訪問日:2012年04月11日
48番札所 清滝山西林寺


雨降る八坂寺を後にし、住宅街を歩く。
しばらくすると車が一台通れるくらいの狭い道に出た。
左手に番外文殊院があった。
おじさま達には先に進んで頂き、独り文殊院に参る。
本堂で家内安全を祈願した。
大師堂では、今回のお遍路旅で今日まで出会った方々、一人一人の顔を思い出しながら皆さんのご多幸と無病息災を祈った。
お参りしていた私を見つけ、ダンディ水谷さんが、先に行ってるよと声を掛けてくださった。
納経所の扉を開けると、
「いらっしゃい、おはよう」
ん?誰も居ないのに挨拶が聞こえる。
奥からお坊さんが出て来て納経をしてくださった。
足元をよく見ると、なんと九官鳥が喋っていたのだ。
最近九官鳥を見なくなったと思ったら、ここに居たのねーって話しかける私をお坊さんがおかしな者でも見るような目をして見ていた。
慌ててお礼を言い、300円納めて外へ出た。
ダメだ、あれでは天然不思議ちゃんキャラのように思われたに違いない。
気をつけねば。

再びポンチョを装着し歩き出す。
おじさま達の後を追う。
札始大師堂を見たかったが、道を間違えて県道40まで出てしまった。
風が強く吹き、雨も降っているため、なかなか地図を見る事が出来ないのだ。
まあ、方向音痴の私が地図を見たところで、間違えずに行けるかは謎である。
風が強く吹き抜ける久谷大橋に差し掛かった時、どこかで私を呼ぶ声が聞こえたような気がした。
辺りを見回すがここは橋の上だ、誰もいない。
まさかと思い橋の下を覗いてみるが、やはり誰もいない。
とうとう空耳まで聞こえるような年になったかと思いながら橋を渡り高速道路をくぐり抜ける。
遍路道は右手の住宅街へ続く。
午前9時20分、48番札所西林寺に到着した。

境内に入ると、おじさま達に加え、女大師様が合流していた。
広々した綺麗なお寺で、雨のせいかしっとり情緒を感じた。
境内には屋根のある真新しい休憩所があり、みんなで少し休憩することにした。
ザックを下ろし、先ずはお参りだ。
本堂で家内安全を祈願し、大師堂ではこれまで出会ったすべてのお遍路仲間、お接待してくださった方々、応援してくださった方々のご多幸と無病息災を祈願した。
納経を済ませてみんなの所に戻り、おやつタイムにした。
するとそこへ、ダンティ水谷さんがやって来た。
私の前を歩いていたはずなのに、どうして今頃到着したのだろうか。
そう思っていると、私の所に来て、
「橋のたもとの喫茶店に居て、呼んだのに行っちゃうんだもんなぁ?。」
しまった!あの時の声は空耳ではなかったのだ。
大変申し訳ないことをしでかしてしまった。
古岩屋荘での夕食スッポカシ事件のこともあり、ダンティ水谷さんには頭が上がらないのだ。
江戸時代なら道中引き回しの上、打ち首獄門に違いない。
「ごめんなさい!」
両手を合わせて拝み、謝罪した。

気を取り直し、みんなにチョコレートや飴を配り、井田さんと仲良くチョコレートを食べながら記念撮影をして遊んだ。
今夜の宿はバラバラのため、明日の宿を養護院の太田屋さんにしてまたみんなで集まることにした。
そして、私と女大師様の二人が明後日13日に名古屋に帰ることから、おじさま達が太田屋さんでお別れ会を開いてくださると言う。

雨足は更に強くなる。
おじさま達のポンチョを着るお手伝いする。
ダンディ水谷さんだけ、お寺の鐘つきに夢中になっていたので、先に行ってまーすと声をかけ、次の札所に向けて歩き出した。
時刻は午前10時を少し回ったところだった。

 
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