作成日:2011年09月26日 訪問日:2011年09月25日
31番札所 五台山竹林寺
三十番札所を打ち終え、不良遍路さんとしばらく歩いた。
午後1時20分、午後の飛行機で東京に帰る不良遍路さんと握手でお別れをし、土佐一宮駅で彼を見送った。お別れの際、彼から御守りをいただいた。三十番札所でこっそり買ってくださっていたのだ。
最後まで私を気遣ってくださった。
本当に彼には感謝だ。
彼といい、宮本くんといい、若いのにしっかりしているし、私のような中年女性にも優しく、親切にしてくださる。
本当の弟のように思えてしかたがなかった。
二人とも、ありがとう。
いよいよ、独り旅が始まったのだ。
よし!
気合いを入れ直し、しっかり歩きだす。
もう昔の私ではない、独りでも大丈夫なのだ。
でも、チラチラと電車が走り去るのを振り返って見てしまう。やっぱり寂しがりやかもしれない。
そこへ大阪のバイク仲間からメールが入る。
今どの辺りを歩いているのか聞かれ、頑張ってね、と返信が帰ってきた。
特に怪しむほどのメールではなかったので、歩き続けた。
県道44を南下していた時、一台のワンボックスカーが横に止まった。
助手席から女性が『たけさんですか?』と聞くではないか。
名前を呼ばれてびっくりしたが、運転席を見ると、なんと大阪のバイクチームの隊長だったのだ。
お遍路旅を聞きつけ、応援しに来てくださったのだ。
とても嬉しい、ビッグサプライズだ。
来る時は必ず差し入れをするように、とジョーダンで言っていたのに、ちゃんと差し入れを持ってきてくださった。レッドブルとリポビタンDファインだ。
助手席の女性は奥様だった。初めてお目にかかる。
バイクを下りて一年、まだ大阪のチーム仲間が私を忘れず、応援してくださっていると言う。
とても嬉しかった。
大阪と名古屋、たまにしか会えないが、離れていても忘れないでいてくれる。
大切な仲間達だ。
そして目を離した隙に、隊長が私の金剛杖にチームのシールを貼っていた。金剛杖のカスタムだ。
最後にお二人と記念撮影をした。
隊長は爽やか青年、奥様は笑顔がとってもキュートだ。まさに爽やかベストカップル。
高知には趣味のサーフィンによく来ているそうだ。
笑顔で手を振り別れる、感謝の気持ちで胸がいっぱいだ。
独り旅だが、たくさんの同行者がいる。
大師様、お遍路仲間、そしてバイク仲間、団体様ご一行だ。
さぁ、ぞろぞろと歩いて札所を目指そう。
歩く脚にも元気と勇気がみなぎる。
遍路道を進み、しばらくすると急な狭い山道へと入って行った。
結構急な坂道、ヒーフー言いながら歩く。ここで、いただいたレッドブルを一本。元気が出た。かなりの即効性だ。
ガシガシガシガシと山道を駆け抜けた。
すると庭園が広がる空間に出た。
牧野富太郎の牧野植物園だ。
整備された施設と道を、花を眺めながら歩く。この植物園に入るには通常、入園料が必要だ。
だがしかし、遍路道を通ればただなのだ。
入り口も特別であれば、出口も裏口入学並みだった。
この植物園を通り抜け、三十一番札所に到着した。
観光客、団体遍路、たくさんの方が参拝に来てかなりの賑わいだ。
団体遍路さんに負けないよう、お参りを済ませた。
納経所でも、団体遍路さんと重なり、しばらく待つことになった。
やっとのことでご朱印をいただき、急いで次の札所へ向かうことにした。
お昼ご飯を食べていないので、お腹はグーグーだ。
なんでもいいから食べたいなぁ、と思いながらも足を止めずに歩き続けた。
爽やか隊長さん、わざと変な顔をする
不良遍路さんからの大切な宝物
バイクチーム『ロングライン』のシール
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